コウコラム:「服を買わない生活」の中で考えたアレコレを書きます

第274回 シャツの型紙を「原型」に

昨日のつづき。

〈「原型」だから、
それを元にどんな形の服でも作れる〉

というのは、
ある意味間違いじゃないね。

でも、手芸部のだれかが
勘違いしてたみたいに、
たぶん多くの人が思ってるみたいな
「それを元にどんな形の服も!」
っていうような原型じゃないのよね。

確かに、
文化式「原型」を元に
増やしたり減らしたり
倒したり伸ばしたりすれば、
どんな形の服も作れるけど、

どうせ増やしたり減らしたり
倒したり伸ばしたり
するんだったら、
シャツの型紙を原型に使う
ほうがずっとわかりやすいと思う。

というのは、
私がシャツの型紙を
「原型」にしてるから。
元型っていったほうがいいかな。

この場合の「シャツ」は、
上衿、台衿、カフスつき長袖の、
いわゆるベーシックシャツとか
スタンダードシャツという形
なんだけど、

ホントいうと、私、
この手のシャツをほぼ着ない
(今は着ないが正しい)。
作るのもめんどうだし(笑。
だけど原型としては大活躍です。

ベーシックシャツから
どうアレンジしたかの一端は、
『ワタナベ・コウのクイックソーイング
1シャツ』(文化出版局)の
最初のページのイラストでも
描いたんだけど、
実は本のあの部分が
最も反響大きかったんだよね。
えー、こんなに
アレンジできるのって。

いやいや、
あんな程度じゃございませんよ。

あのイラスト以外にも
袖違い衿違いはいうにおよばず、
ワンピース、カーディガン、
ベスト、ジャケットにも私は
アレンジしまくっております。

そのへんの(一部)作品集が
3月6日発売予定の
『裁縫女子宣言!
はじめて作る自分だけのシャツ』
(バジリコ)というわけです。
だから、シャツの本っつっても
フツーのシャツの本じゃないよ。

自分の思い通りのデザインの服を
作りたいという人は多いよね。
でも、いきなり「思い通り」を
作ろうとする人が多い。

最初はちょっと気に入らない
と思っても、
作りたいデザインに似た形の
服の型紙で1枚作り、
それを修正というか
アレンジするという方法で
最終的に自分の希望に近い型紙を
手に入れる方式がいいと思う。

よく、どこそこの型紙がいいとか、
安いのはダサいとかいうけど、
どんな型紙でも気にいらないのよ。
っていうのは私がそうだったから。

だって、服を作るからには
自分だけの、ほかの人には
どうでもいいような
自分のこだわりを反映したものが
作りたいわけでしょ。
既成の型紙が気に入るわけがない。

そんなアレンジ力を
鍛えてもらうためにも
(アレンジ力を鍛えるのが
モノ作りする意味だと思う)、

『裁縫女子宣言!
はじめて作る自分だけのシャツ』の
実物大型紙はワンサイズのみです。
ガンガンいじって使って〜。

サイズ補正も
アレンジのひとつと考えたら
サイズ別に型紙を全部掲載して、
そのおかげで見にくくなるなんて
本としては
本末転倒だと思う。

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●ワタナベ・コウの漫画単行本第2弾
『節電女子』発売中!

(発行:日本文芸社
 企画:エム・エム・クリエーション
 編集協力:ツルシカズヒコ

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『裁縫女子』(リトルモア)のインタビューなど】

雑誌『hito(ヒト)』3号

「サイゾーウーマン」

●歌人の枡野浩一さんとのユースト対談↓
http://www.ustream.tv/recorded/12750111

●写真家の大野純一さんとのユースト対談↓
http://www.ustream.tv/channel/ohnojunichi

●文筆家の近代ナリコさんの『裁縫女子』(リトルモア)書評↓
http://bit.ly/fHvj35

●『裁縫女子』は↓で最初の4ページが読めます(無料)。
http://xfs.jp/yVaxt

●YouTube 「クレヤン放送局」は↓
http://www.youtube.com/user/watanabe3kou