コウコラム:「服を買わない生活」の中で考えたアレコレを書きます

第287回 「ひっつける」と「セーター」

本日の手芸部は、
キナコさんとNさんと活動。

裏地つきタンクワンピースを
製作中のNさんは、
コンシールファスナーをつけたんですが、
ファスナーをつけるとこの縫いしろには
補強のために接着テープというやつを
はります。

はる、といっても、アイロンで、
テープについてるノリを溶かして
くっつけるんだけど、
あのね、
Nさん、
兵庫県の西宮市出身なんですよ……。

そう、Nさん、
「ひっつける」っていうんですよ。

洋服作りにはくっつける作業がわりと多い。
ひっつけるって、
Nさん、ものすごくよくいう。
いいすぎじゃ、って思うくらい(笑。

カタログハウスの大阪教室での
ひそかな楽しみは、
ナマの関西弁を聞くことなんですけどね、

大阪のスタッフのみんなが
解説してくれるところによると、
「コウさんには、みんな、
いつもどおりの関西弁では、絶対に、
話しかけませんよ」ということだそうで、

そのせいなんでしょうか、
10年くらい通っているにしては
はじめて知る関西弁がまだまだ多くて、
くやしー。

ひっつける、って、
大阪の教室で聞いたことあったっけ。
あんまり記憶がないんだけど。

くっつける作業は多いから
そんなわけない気がするんだけど。

いやあ、ひっつける、かわいいですよ。
Nさんが頻繁にいうのもかわいい。
だから「ひっつける」って聞くたび、
おかしくて。
なんで「ひっ」が必要なのか。

文化出版局の校正だと、
接着芯は「張る」なんですね。
私もさんざん描き文字、描きましたからね。
なぜ「張る」なのかというと、
もともと接着芯は、
アイロンでノリを溶かして
「貼る」ものじゃなくて、
ピンと張ってつけた
(縫いつけた、だったと思う)ものだからと
説明を受けたことがあります。

「ひっつける」を聞くと、
その「張る」の由来をなんだか思い出しちゃう。
「ひっ」ってなんなんでしょうか。
「つける」は使わないのか、
今週土曜日に質問してこようと思う。

関西弁といえば、
昨日DVDで観た溝口健二監督の
『祇園の姉妹』に出て来た
「てんご」もはじめて聞いた言葉でした。

「おぶ」や「ぶぶ」はさすがに知ってるけど、
「てんご」は知らんかったあ。

話の筋からして、
「ウソ」って意味かなと思ってたんだけど、
「いたずら」って意味なんですね。
「てんご」からいたずらって、
まるで想像できないよ。

さて、
キナコさんとNさんが、
帰りぎわに私の「セーター」↓を
かわいいといってくれました。

ほおら、とってもかわいいでしょう(笑。
この「セーター」も私が「縫った」ものです。
型紙は、ラグランTシャツ

衿の型紙の高さは伸ばしてるけど、
衿ぐりはそのまま。
目の粗いウールジャージーなんで、
縫ったら勝手に伸びちゃったの(笑。

ちなみに、ジャージーというのは、
織物に対する編み物って意味で
私は使ってて、
体操着みたいなのの「ジャージ」
のことじゃあありません。
ニットとか、セーターみたいな布、
と思ってください。

こういう「布」が手に入りさえすれば、
セーターも、カーディガンも
ミシンで「縫え」ます。
衿と袖口と裾は切りっぱなし↓

メリヤス編み(別名天竺)なので、
切りっぱなしだとクルンと丸まる↑。
でも、それがかわいいでしょ(笑。

私は自分の着るものは
全部自分で作ってるんだけど
(下着、タイツ、スパッツ類はのぞく)、
そういうと、
「セーターは買うんですよね?」
とときどき聞かれるけど、
「いえ、セーターも縫います」と答えます。

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ワタナベ・コウ著
『裁縫女子宣言!はじめて作る自分だけのシャツ』
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『裁縫女子』(リトルモア)のインタビューなど】

雑誌『hito(ヒト)』3号

「サイゾーウーマン」

●歌人の枡野浩一さんとのユースト対談↓
http://www.ustream.tv/recorded/12750111

●写真家の大野純一さんとのユースト対談↓
http://www.ustream.tv/channel/ohnojunichi

●文筆家の近代ナリコさんの『裁縫女子』(リトルモア)書評↓
http://bit.ly/fHvj35

●『裁縫女子』は↓で最初の4ページが読めます(無料)。
http://xfs.jp/yVaxt

●YouTube 「クレヤン放送局」は↓
http://www.youtube.com/user/watanabe3kou

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(発行:日本文芸社
 企画:エム・エム・クリエーション
 編集協力:ツルシカズヒコ