コウコラム:「服を買わない生活」の中で考えたアレコレを書きます

第442回 凝視と放心

『帰りたい風景 気まぐれ美術館』
(洲之内徹著/新潮文庫)を読み中。

洲之内徹は1913年、松山市生まれ。
戦前は左翼運動で検挙され、のち転向。
戦争中は中国で諜報活動に従事。
戦後に小説を書くようになり、
芥川賞候補3回。
小さな画廊も経営していたらしい。

『帰りたい風景 気まぐれ美術館』は、
『芸術新潮』に連載していたエッセイを
まとめたもののよう。

一応どれも画家の話で、
画家の某さんの個展をやったとか、
某さんとの出会いとか、
画家の某さんをたずねて行った旅の
話なんかが書いてある。

ちなみに、画家をたずねて行く地は、
新潟とか長野とか、日本海側とか、
私になじみのある地が妙に多い。
高田は美人が多いなんて記述もあった。

それで、確かに
画家とその画家の絵についてのエッセイ
ではあるんだけれども、
著者自身の自分語りの話も多い。
というか、面白いのは実は
著者の自分語りのほうで、
だからエッセイというよりは
私小説になってるのよ。

ちょうど半分くらい読んだとこなんだけど、
画家・木下晋(昨年、日曜美術館で
放送したんですね、知らなかった)
のことを書いた「凝視と放心」が
いまんとこ、いちばん面白いかな。

木下晋の描く顔の恐ろしさを語り、
自分の妻が下駄を「盗んだ」ときの
自分のとっさの反応から
自分という人間の恐ろしさを語り、
シメは以下の文章なのだ。

〈生存に対する幻滅なしには、
真の芸術への希求もない。
恐怖が救済を約束する。
美以外に人間をペシミズムの泥沼から
救ってくれるものはない〉

これじゃあちょっと
わかりにくいかもしれないけど、
読めばわかる、と思う。

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