コウコラム:「服を買わない生活」の中で考えたアレコレを書きます

第595回 電気ケトルから「ふだん着のデザイナー」へ

昨夜の手芸部では、
Kさんがダッフルコートを完成させました。
写真はFB裁縫女子宣言!で。

普段は土日参加のKさんですが、
年末の帰省にどうしても着て行きたい!
ってことで、
クリスマスの夜も参加して無事完成。

そんなKさん、
アイロン購入を検討らしく、
「ティファールがいいですか?」って。

現在、私が使ってるヤツは、
T-falのプリマグライドですが↓

前はティファールの別の型(廃盤)使ってたし、
その前はフィリップスのだったし
(使用頻度が激しいのでわりと買え替える)、
すべてのアイロンを使ってみたわけじゃないので、
これがいちばん!ってほどは
アイロンのこと、詳しくないんだけど。

でも、まあ、ともかく、
「ヨーロッパのアイロンなら何でもいいと思うよ、
とにかく日本のアイロンじゃなきゃ」
って言ったら、Kさん、
「えっ! ティファールって
日本のメーカーじゃないんですか!」って。

「うん、ティファールはフランス」

「でも、あの、
ティファールの電気ケトル、
あるじゃないですか」

「ああ、知ってる、知ってる、
大阪でいつも泊まるホテルに置いてあって、
すぐ沸くし、デザインもかわいいし、
あれ↓ いいよねえ」

「あれ↑ 欲しいなって
思ってるんですけど……
ああいう発想って日本ぽくないですか。
だから、日本のメーカーだと思ってました」
とKさんは語るのであった。

確かに、そう言われてみると
そんな気もしなくはない。
コンパクトですぐ沸く、って点は。

けど、日本のメーカーは、
あんなスタイリッシュかつ
ユーモラスなデザインはできんだろ。

「ふだん着のデザイナー」桑沢洋子の
セリフを借りれば
「日本人にはデザインに
お金を払うという発想がない」から。

敗戦後すぐのセリフだったはずだが、
このセリフは日本人の本質を
ついた発言とも言え、
同時にデザインとは何か
という問題も表出させ、
ゆえに、
敗戦70年たった現在も有効な発言だ
と私は思う。

↑これ、文庫になってたのね。
私は1957年版の単行本を読んだんですが、
服装論というより日本人論として読むべし。

あわせて、
桑沢洋子の元夫で、
共産党員で戦時中は徴兵忌避してた
カメランT氏の話が登場するこの本↓も読むと
さらに「魅力的」な桑沢洋子像が浮かび上がり、
大逆事件に次ぐ日本の転換点だったと言える
アノ時代を生きた日本人の姿を
「見る」ことができる。なんちゃって。

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『裁縫女子』(リトルモア)のインタビューなど】

雑誌『hito(ヒト)』3号

「サイゾーウーマン」

●歌人の枡野浩一さんとのユースト対談↓
http://www.ustream.tv/recorded/12750111

●写真家の大野純一さんとのユースト対談↓
http://www.ustream.tv/channel/ohnojunichi

●文筆家の近代ナリコさんの『裁縫女子』(リトルモア)書評↓
http://bit.ly/fHvj35

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 編集協力:ツルシカズヒコ