コウコラム:「服を買わない生活」の中で考えたアレコレを書きます

第13回 返し縫いのできないミシン

わが手芸部では、
『通販生活』(カタログハウス発行)の「山崎範夫のミシン」
を使っています。
私がこのミシンを
「具体的に名前を挙げて推薦できる唯一のミシン」として
推薦しているからですが、
自分のミシンを持って手芸部に参加される方もいます。
男性の方ですけどね。

その方、Nさんと言いますが、
Nさんはご自分で作りたいものがあって、
それを具体的にどう作ればいいのか、
そして、そのミシンの使い方を教わりたくてやって来ているわけです。
(わが手芸部ではミシン持参でやって来てもかまわないんですよ)

Nさんのミシンは奥さんのもので、ずいぶん前に買ったもの。
(たぶん、20年前くらい)
買ったきり使ってなくて取扱い説明書もなし。
私は、たぶん、ほとんどのミシンを取扱い説明書なしに使えるので、
そういう要望にも楽勝で応じられるのですが、
そのミシン、返し縫いがどうやってもできないのです。

通常、ミシンは前にのみ進みますが、
返し縫いというのは、後ろへ進みます。
レバーあるいはボタンを押すと返し縫いできるのですが、
そのミシンは、返し縫いのレバーを押しても後ろへ進まない。
ずっと使ってなかったうちに、
返し縫いの機能だけダメになってしまったようです。
(そんなことがあるのかは疑問)

で、まあ、とりあえず、
過去に作りたかったものに関しては、
返し縫いができなくてもなんとか作れていたのですが、
今回、Nさんはボタンホールをやってみたいと言いました。
返し縫いできなくても作る方法はあることはある。
でも、ボタンホールを作るには付属のアタッチメントがあって、
きれいに作るための型枠みたいなもんですが、
それを使おうとすると返し縫いができないとダメなんですよお。

それから、Nさんは、
ボタンのつけ方を教えてほしいとも言いました。
「できるミシンもあるけど、このミシンではできません」
と言ったら、
「ええっ、ミシンってなんでもできるんだと思ってました!」
Nさんはひどく驚かれておりました。

若くない女性の方でも、
「ミシンってもっと、なんていうか、
勝手に縫ってくれるもんだと思っていました」
と言う方は少なくありません。
全自動洗濯機みたいに放り込めば勝手に仕上げてくれる、
みたいな感じでしょうか。
そう発言しなくてもそう思っている人はかなり多い、
私はそう観ています。

みなさん、ミシンは家電じゃないのよ。
包丁やはさみと同じ道具なんです。
かなりアナログな道具なんです。
だから、ツカイヨウ、主役は人間の手と頭。とセンス。
だから、おもしろいんです。

あ、そうそう、早い人にはもうすぐ届く『通販生活』春号では、
私、山崎ミシン新型の使い勝手を解説しております。
今度の新型は画期的にバージョンアップしてます!