第1472回　蚊帳（かや）織りのインド綿

コウコラム：「服を買わない生活」の中で考えたアレコレを書きます

2016-06-04（土）

今日のコウ手芸部、
映像関係の仕事をしている31歳Nさんの
ロングカーディガンが完成しました。

Nさんの申込み時の質問は、
「初心者ですが、
洋服を作っていいですか？」。

この手の質問には「いいですよ」と
答えることにしているので、
Nさんも「ありがとうございます！」と
大喜び（たぶん、メールだからわからないけど）で、
勇んで生地を買ってやって来ました。

「初心者でも洋服を……」と質問する人の
生地選びには２タイプあります。

縫いやすい生地の名前を確認する、
あるいは、
手芸店で「縫いやすい生地」を
教えてもらうなどの慎重に選ぶタイプと、
イメージ優先（別名怖いもの知らず）タイプ。

Nさんは、後者（笑）でありました。

Nさんが、ロングカーディガンを作りたい
と言って選んで来た生地は、
スケスケの「蚊帳」のような
粗い織りのインド綿。

粗い織り、薄い生地、透ける生地は、
縫いにくい生地の筆頭であります。

ということで、
きゃあとか、わあとか、
センセー大変です！とか言いながら、
完成しましたよ、
涼しげなロングカーディガン。

本人、大満足ですよ。

いや、もう、袖がついたあたりから、
かわいー、かわいー、
よかった〜この生地にして、
これかわいーですよね、ね、ね、
センセー、思いません？
の嵐でしたよ。

あげく、当初の構想にない
「あ！ココにギャザー入れたら
かわいくないですか？」
（と、つまむポーズ）。

最初の構想にあったら、
切り替えてギャザー入れるんですが、
突然沸き出した構想ですからね。

大きな縫い目でガアッと縫って
糸を引っ張っただけのギャザーですよ
（のわりにはかわいかった、
生地のせいかも）。

いや、まあ、実際、
Nさんのスタイルにぴったりマッチした
涼しげでオシャレな
ジレ風ロングカーディガンが
出来たわけですよ。

即、着て、帰って行きました。

お店では単に「インド綿」という名前で
売っていたとNさんは言うんですが、
蚊帳織りというやつではないかと。

31歳のNさんに「蚊帳ってわかる？」
って聞いたら、「知りません」て。

ま、そうでしょうね。

蚊帳は、
アタシが小学3〜4年生くらいまでは、
うちでも吊って寝ていました。

小学６年生のときに家を建て替え、
ひと部屋が狭くなり、
家の造りが変わったので、
それ以降、使わなくなったんですね。

蚊帳は超好きでした。

母が蚊帳を吊るときの「景色」も
なんだか妙に好きでしたが、
蚊が入って来ないように注意して
中に入るときの瞬間とか、
まるで異空間に侵入するような
ドキドキ感があったし。

蚊帳の内部の、
隔離された神聖っぽい感じとか、
雅な雰囲気というのか、
ともかく、
蚊帳って好きだったなああ。

いわゆる、風情があった、ってやつですね。

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