コウコラム:「服を買わない生活」の中で考えたアレコレを書きます

第1473回 ミントンから、ちょっぴり世界史


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コウ手芸部4年生Tさんの
ワンピースシリーズ、
今日の生地は、
イギリス「MINTONミントン」
綿オックスでありました。

使用生地はこちら↓

ボーダーを含んだ柄ですが、
Tさんは、ボーダーを
前身頃と後ろ身頃の半身に縦に配置し、
袖口には横に置きました。

自分で作ると、柄の配置も好きに
考えられるのがいいですよねえ。

ちなみに、「ボーダー」とは、
太い筋状に入った模様のかたまり。
布の耳(端)に平行に入ることが多い。
上記写真だと、青の線の内側部分。

さて「MINTONミントン」と言えば、
18世紀末に陶器工場としてはじまった
英国王室御用達のブランドです。

英国王室御用達、と言うと、
もう、なんか、まるで、
イギリスのもの!って感じですが。

布の歴史は世界史そのもの。

ミントン柄のルーツとともに、
ちょっぴり&おおまかに世界史を
頭に入れておきましょう(笑)。

ミントンとリバティの布の柄は
よく似てますね。

どちらのブランドも、
唐草とか、ダマスクとか呼ばれる類いの
植物文様が特徴です。

この植物文様、実は「イギリスの柄」
ではありません。

もともとは、
今のインド、パキスタンあたり
(アフガニスタンあたりでも、かも)で、
「手仕事」で作られ、染められていた
コットンの布の柄です。

「イスラムっぽい」文様なのは、
イギリスに植民地化される前の
インド、パキスタン、バングラデシュが
ムガル帝国というイスラム教統治者が
支配する国だったからです。

イギリスがインドを植民地化したあと、
真似して大量生産(←重要!)して、
いつのまにか「イギリスの柄」として
世界に流通したわけですよ。

美しい植物文様は、
自然と共生する東洋アジアの思想の中で
生まれた文様と言えます。

自然を戦うべき「敵」として見る
西洋ヨーロッパの思想の中では
創造できなかった。

きれいな色を染めることができる
コットン自体がヨーロッパには存在しません
でした(麻とウールのみだった)から、
ヨーロッパの人々は、
カラフルな色で作られる植物文様の綿布を
きれいだなあ、欲しいなああ、と
強く強く思ったことでしょう。

これが岡本太郎言うところの
「美の呪力」でしょうか。

「美の呪力」が世界史を動かしてきた
(いる?)面もあるものねえ。

日本人にミントンやリバティの布が人気なのは、
自然と共生する思想に根付いた
アジアの美意識が呼ぶからかも。

いや、それも一面の真理だろうけど、
自分なりの判断基準を持っていないために、
単に「有名ブランド」だから人気なだけ、
も一面の真理、とも言えるでしょう。

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