コウコラム:「服を買わない生活」の中で考えたアレコレを書きます

第71回 スカート作り特訓

17日がカタログハウスの東京教室の日なので、
スタッフに特訓してきました。
課題はフレアスカートです。

それぞれが各自のウエストとヒップをはかるところからはじめ、
基準寸法の型紙を補正して裁断、縫製と進みます。
ウエストとヒップの正しい採寸方法や
既製服のサイズ表示とヌードサイズの違い、
たとえば、既製服でウエスト64と表示されているスカートの
ウエストサイズは64ではない、最小で68センチ、
ミセスものはゆとりが多いからへたすると70センチあることもある。
だから、自分はウエスト64センチだと思い込んでいるかもしれないが、
あなたのウエストは64センチではない、とか、

お客さまのヒップの採寸をさせていただく場合、
「おなかがポコッと出ている方がいらっしゃいますざましょ」
とセンセー(私のこと)、
「はい、はい、います、います、アタシ、アタシ」
とセイトのみんな、
「そういう方は、おなかに厚紙とか板みたいなもんを当てて
ヒップをはかってさしあげます」。
「おなかがポコッと出たスカートをはいている方は
本来もうひとつ上のヒップサイズのスカートをはくべきなんですね」
とかとか、講義は続くよどこまでも。

みんなが「はじめて知った」とか
「ええっ、そうだったんですか」って感心してくれるんで、
いやあ、われながら、
ためになる講義をしちゃったなあって感じ。

それから、毎度のことですが、
またしても材料探しにおいて
ユザワヤ店員さん不勉強問題が勃発。

今回の事件はスカートの裏地。
材料表(私が作成)には
「おすすめの裏地は東レのサップ、
もしくは春夏用のツルツルしてない綿みたいなカサッとした裏地が
初心者は扱いやすい」
というようなことが書いてあって、
ユザワヤ銀座店が最寄りの手芸店であるスタッフの面々は、
ユザワヤ銀座店で「サップはありますか?」と聞きました。

最初に聞いた店員さんがサップを知らず、
その店員さんがほかの店員さんに聞いてもわからず、
「春夏用の」とか「ツルツルしてない裏地」とかモゴモゴ言っても、
店員さん、まるでこちらがなにを言いたいのか
わかってないらしい雰囲気であった、
と彼女たちは証言しています。

いまどきの手芸用品店はデコなんとか専門みたいなもんスからね、
裏地の知識のある店員さんはそりゃあ少ないだろうと思われます。
(そこんとこ、知識あるのはオカダヤさんです!)
それでフツーというか、
世間の状況に則していて正しい、と言っていいわけですけどね。
ほおら、こんなふうに、
かつてフツーに庶民が持っていた知識は失われていくのですよ、
みなさん。
みんながそれを望んでいるからそうなる、とも言える。

それでですね、
ほかのお客さんにいろいろ説明していた
洋裁の知識があるように見受けられた別の店員さんを発見し、
サップとか春夏用の裏地とかって質問したところ、
「ああ、これです、これです」みたいな感じで
さしだされたものを買ってきた、と彼女らは言い、
なんかニョロッと置いてあったそれを私が
「なに、これ?」と手にとって
以上のような説明を受けたわけですよ。

ニョロッと置いてあったそれは、
サップとはぜんぜん違う「ニット用の裏地」。
買ったほうはもちろんはじめて見るそれを
「ニット用の裏地」とは認識できないわけで、

センセー(私のこと)が
「なにこれ、ニット用の裏地じゃん」と言いはなち、
「ええっ、わっ、ホント、ビョンビョン伸びますぅ」ですよ。
使用する表地は綿のカットレース地かなんかで、
ぜんぜんニットじゃないわけだからさあ、
ニット用の裏地を使うのは間違いなわけよ。
間違いどころか、透けないための裏地の役にも立ってないの。
「もお、透け透けで、はいちゃいますぅ」のセカイ。
若いって、いいですね。

ちなみに、
白っぽい綿とかの表地の裏地には茶色が透け防止にいいよ、
っつうセンセーの講義にセイトは、
「でもお、ユザワヤ銀座店の裏地は、
赤とか青とかなんかスゴい色ばっかで、
茶色とかベージュとかそんなフツーの色、売ってなかったですぅ」
って。
うーん、そうか、そうか。
で、今度、コウさんといっしょにユザワヤ銀座店ツアーやりましょ、
って話になりました。

とはいえ、
大阪とらやにも売ってて、
大阪教室スタッフも色違いで作り、
生徒さんたちにも大人気だったコッカさんの
バード・ボーダ柄(写真左端)は売ってんのよ、ユザワヤ銀座店。
ちなみに↑オカダヤにも売ってます。