コウコラム:「服を買わない生活」の中で考えたアレコレを書きます

第2102回 「トランス女性の願い」と「State of Hate」


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7月1日、2日付「しんぶん赤旗」に掲載された記事「トランス女性の願い」は、興味深く読みました。

記事の背景には、トランスジェンダー女性(男性として生まれ、女性として社会生活を送る人)への差別的な発言がSNSで拡散されている現状があります。ジェンダー平等の運動が高まるなかでのトランス女性への排除、差別の現象は、欧米でも起こっています。

トランス女性に対してどんなフェイク発言がされ拡散されているのか。そのひとつに、「男性器を付けたトランス女性が性器を見せながら女湯に侵入しようとしている」があるといいます。この発言のようなことが実際にはありえない理由として、自らもトランス女性である性社会・文化史研究者の三橋順子さんは、〈なぜならトランス女性にとって、男性器の存在は最も他人に見られたくないものだからです〉と語っています。

そうですよねえ。自分は女性だという自己決定をし、日常、社会的に女性として生活しているわけだから、自分の体に男性器があることは死ぬほどイヤだろうなあ、つらいだろうなあ、と記事を読みながら思いました。そして、ふと!「女性とはなにか」の定義のひとつに「自分の体に男性器があることが死ぬほどイヤな人が女性」があるじゃないか!と思いました。

はたしてそういう回答をトランス女性がするかどうかはわかりません。でも、その定義、いいなあ、わかりやすい、と私は思いました。

かつて、男女平等をうったえる人たちは、「男女の違いは子どもを産む機能があるかどうかだけ」とよく発言していましたよね。自分にも子どもを産む可能性があると思っていたころは、その発言を大変「科学的」な発言だと思っていました。そうだ、それしか違いはないんだから男も女も同じじゃん、と思っていました。

しかし、それからのちに、自分が子どもを産めない女性になったとき、自分は女性じゃないのだろうか?という疑問がわきました。転じて、男女の違いは子どもを産む機能があるかどうかだけなの?と考えました。その定義が間違いだとすると、じゃあ、女性ってなんなの? 定義はどんなことになるんだろう、と考えてしまいました。

ジェンダー平等がいわれるようになった現在、「女性とはなにか」の定義は、「自分は女性だと自己決定した人」ということになるでしょう。しかし、生まれたときの肉体が女性で、日常、社会的にも女性として生きてきた、それがぜんぜんイヤじゃなかった自分が、女性だと性自認し、女性だと自己決定していることになるのか?

自分の体に男性器がついているのがイヤだとか、毛が濃くなってきたり声が太くなってくるという変化がイヤだとかいうのは、明確な性の自己認識だと思います。男性器がついていたらイヤだなあとは思うものの、ついていた体験がないから、もしかしたら、ついていたらついていたでそんなにイヤじゃないかもしれない、とも思ったりします。

そういうことにまで想像をふくらませると、はたして、男性女性の区別をわざわざすることに一体なんの意味があるのか、とまで思ってきます。子どもを産む機能があるかどうかが男女の唯一の違いではないとなれば、機能的な違いはないことになります。

「トランス女性の願い」の記事に私がビビットに反応したのは、同じ日に、CNNで放送していた特集「State of Hate」(「憎しみの国」と同時通訳は訳していましたが、「憎しみのアメリカ」でもいいのではないかと)を見たからです。

TIME誌やワシントン・ポストのコラムニストでもあるファリード・ザカリア(Fareed Zakaria)が、白人国家主義者の理論家、 ジャレッド・テイラー(JARED TAYLOR)にインタビューしていました。ザカリアは、インド系ということで黒い肌をしています。テイラーは、金髪に青い目。

ザカリアはテイラーに、白人(white)の定義はなにか、と問いかけます。テイラーは、「ヨーロッパ出身の人」と答え、つづけて、「でも短い時間で説明は難しい。端的にいえば、外見」というようなことをいいます。

対して、ザカリアは、白人とはコケージャン(cochajan)、つまり、中央アジア出身のコーカソイド(モンゴロイドと対応するもの)が白人だといいます。要するに、コケージャンというのは学術的用語、科学的分類だと思えばいいですね。

コケージャン、つまり、コーカサス地方出身のコーカソイドは、西ヨーロッパに向かった人たち、インド方面に向かった人たちがいて、ミックスされていったようです。インド系のザカリアは、「その定義に従えば私も白人です」といいます。それに対するテイラーの発言に、私は、ドン引きしました。

I think most people would not consider you white.

「ほとんどの人がキミのことを白人だと思わないだろうね」

相手が学術的定義でいっているのに、見た目とか印象で答えるとは!東アジアの某国の首相のすりかえ論法に似ている!と思うのは私だけか。

ジャレッド・テイラーという人は、日本生まれ日本育ち、日本語も堪能(らしい)ということで日本でも一部の人にかなり有名なようですが、アメリカのトランプ大統領の支持者だということです。

ユダヤ人を(一部をのぞいて)差別していないのがヒトラーとの違いのようですが、上記、テイラーの「白人」の定義とは、要するに、「ミックスされていないアーリア人」というものらしく、いろいろミックスされて肌の色が白でなくなったコーカソイドは白人ではない、ということをいっているようです。(ちなみに、ユダヤ人というのは、ユダヤ教を信仰する人のことで、テイラーは、それをふまえて、一部のユダヤ人は「白人」ではないといっています)

つまり、この人、バカなの?と思って、見ていたら、ザカリアは、テイラーに、「あなたも私と同じイェール大学で学んだ同志ですね」と。イェール大学といえば、世界の東大、つまり世界でいちばん勉強ができる人が行く学校、つまり、最も「科学」的思考であるはずの「エリート」!ま、日本でいちばん勉強ができる人たちが学ぶとされる東大卒にも同じ「印象で語る」人はいるわけですから、勉強ができるってなんなのか、というようなことも考えずにはいられませんね。

↓こちらでCNN放送の内容を英文で読めます(期間限定)
http://edition.cnn.com/TRANSCRIPTS/

さて、この特集のなかでは、研究者が、「実は、人種による違いはほとんどない。99%の人種はほとんど同じ」と解説していました。男性と女性も、科学的にはほとんど同じもので、のこるは、自分がどっちかという認識のみで区別されているだけなのかも。


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