週刊ポチコラム:ポチことツルシカズヒコが雑誌批評などを書きます

vol.6『Do Live』(ドリブ)創刊号

『ドリブ』創刊号

クレヤン11号の編集長インタビューをさせてもらった、
小幡恵さんは『Do Live』(ドリブ)創刊時の編集者だったのだが、
小幡さんから借りた、
『Do Live』創刊号(昭和57年7月号/青人社)を読んでみた。

『Do Live』創刊については、
嵐山光三郎著『昭和出版残俠伝』(筑摩書房)に、
小説仕立てで書かれていて、すごく面白かったが、
実物の創刊号は見たことがなかった。

祐乗坊英昭(嵐山光三郎)編集長の編集後記によれば、
「Do Live」というのはアメリカの若者たちの合い言葉、
「いい暮らしをしよう」という意味なのだそうだ。

「スレスレ痴漢法」という企画で、
渡辺和博さんが痴漢役、南伸坊さんが警官役で出演しているのが笑える。

連載インタビュー企画「THE LEADER」第1回は大蔵大臣の渡辺美智雄。撮影は篠山紀信。読み応えがある。

巻頭連載コラムを執筆しているのは糸井重里。
糸井さんは「こんな雑誌はあったほうがいい」という、
表紙コピーも手がけている。

美保純などのヌード企画「新鮮5人PINK女優」のカメラマンは、
開高健の『オーパ!』の撮影で知られる高橋曻である。

福富太郎の「ドリブ金儲け学講座」のイラストはいしかわじゅん。

しばし、読み耽ってしまった。よくできてる雑誌なのである。
企画、デザイン、ネーム・・・
雑誌はこの時代にすでに完成されてしまっているのである。

僕がなぜ『Do Live』に興味があるかというと、
『週刊SPA!』の2代目編集長だった渡辺直樹さんが、
『Do Live』創刊時の中心メンバーのひとりだったからだ。
渡辺さんは『太陽』(平凡社)、『Do Live』時代を通じて、
嵐山光三郎氏の一の子分的存在だったらしい。

『週刊SPA!』時代、僕は渡辺さんから多くのことを学んだ。
その渡辺さんが関わっていた雑誌を読むことは、
僕自身のルーツを探すことに通じるのである。