週刊ポチコラム:ポチことツルシカズヒコが雑誌批評などを書きます

vol.19 片山杜秀さんのこと

実相寺昭雄監督の映画『無常』(1970年)を観た。
最近、旧い日本映画を観ているのだが、この映画も気になっていた。

なぜかというと、
現代音楽の評論家として知られる片山杜秀さんのことを、
思い出したからである。

『週刊SPA!』1992年7月22日号(写真)の特集、
「家族はどこへ行くのか?」の中で、
片山さんが『無常』について寄稿している。
当時、片山さんは「杜秀」ではなく「素秀」でした。

この特集を担当していた僕は、
同僚編集者から片山素秀という鬼才の存在を教えてもらい、
原稿をお願いしたのだった。
半ページ足らずのスペースに収まる短い原稿だったが、
仕上がってきた原稿のクオリティの高さに、驚いたのでした。

僕が『週刊SPA!』の編集長になり、
片山さんに連載をお願いしたのは、この原稿がきっかけでした。