ポチのクレヤン編集長日記:ポチことツルシカズヒコが書く身辺雑記

過激派を殺害した巡査はアンフェアか?

連合赤軍の全体像を残す会」の例会に参加した。

本日のメイン出席者は
雪野建作(元革命左派)さん、
植垣康博(元赤軍派)さん、
椎野礼仁(元社学同)さん。
この3人は元新左翼の活動家です。

本日のテーマは雪野さんの報告と
雪野さんへのインタビューでした。

NHKの取材スタッフも来ていました。
私もふくめた聞き役的出席者は、
週刊誌編集者、出版社代表、
赤軍の映画を撮っている方、
映像ジャーナリストなどです。
20代の方も何人かいました。

雪野さんは真岡市の銃砲店襲撃事件に
参加したメンバーのひとりです。
今回、雪野さんが話してくれた内容の要点を
自分なりに整理すると、
こんな感じだろうか。

★永田洋子さんが革命左派の
トップの座についてしまったのはなぜか。

★銃による殲滅戦に移行したのはなぜか。

革命左派の議長・川島豪が逮捕され、
その川島を奪還すること。
上赤塚交番襲撃で
同志の柴野春彦さんが殺害されたこと。
このふたつが関連して
過激な方針に移行していったらしい。

元赤軍派の植垣さんが
熱心にメモを取りながら聞き入り、
雪野さんに質問していたシーンが印象に残った。
「ああ、そうか、そんなこと赤軍派ではありえないな〜」
みたいな反応が興味深かった。

たとえば、川島豪奪還について。
植垣さんはこんな発言をするのだった。
「赤軍派じゃ塩見(孝也)奪還なんてありえなかったな。
たとえ奪還したって塩見なんか役に立たないもの」

このあたりに革命左派と赤軍派の
体質の違いが如実に出ているわけで、
興味深いのである。

あるいは
上赤塚交番襲撃で殺害された柴野さんについて。

襲撃した革命左派メンバーが持っていたのは
ゴムホースに鉛を入れた武器だった。
柴野さんは背後から
巡査に拳銃で2発撃たれ死亡した。

拳銃で武装している巡査が
ゴムホースに鉛を入れた武器しか持っていない
柴野さんを拳銃で殺害したのは、
明らかにアンファアではないか
というのが雪野さんの考えである。

それに対し椎野さんが異議を表明した。
襲撃された巡査側からすれば、
相手がどんな武器を持っているかわからない。
身の危険を感じた巡査の行動は
アンファエアとは言えないのではないかと。

雪野さんが、もう一歩踏み込んだ発言をした。
なにかあれば拳銃で撃ってもよしという、
警察側は過激派対策強化策を打ち出していた。
その情報を得ていた雪野さんは、
それが実行されたことに対し怒りを覚えたのだという。

いずれにしても、
あんな大事件を起こした当事者たちが、
第三者を介在させて事件について隠蔽せずに語る。
これは日本の現代史上、
希有なことなんじゃないだろうか。

その現場を取材できる私は、
とても貴重な体験をしていると思う。

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