ポチのクレヤン編集長日記:ポチことツルシカズヒコが書く身辺雑記

謀叛論

千歳烏山の粕谷図書館に行き、
鎌田慧著『大杉榮 自由への疾走』(岩波書店)を借りてきた。

前半の山場は1911年(明治44年)、
幸徳秋水らが処刑された大逆事件である。

徳富蘆花がこの事件に憤りを感じて、
一高で行った講演の演題が「謀叛論」。以下、引用。

〈諸君、幸徳君等は時の政府に謀叛人と看做されて殺された。
が、諸君、謀叛を恐れてはならぬ。
謀叛人を恐れてはならぬ。
自ら謀叛人となるを恐れてはならぬ。
新しいものは常に謀叛である。〉

当時、徳富蘆花は東京西郊外の千歳村に住んでいたが、
千歳村は現在の世田谷区粕谷、
つまり粕谷図書館があるあたりだ。

大逆事件から約100年経ったけれど、
現在の日本の閉塞状況を鑑みると、
この100年という時間経過はなんだったんだろうと、
考えざるを得ないですね。

今、必要なのは「謀叛」、
それしか有効な手立てはないのではないか。
クレヤンも「謀叛」だと、僕は思っています。

写真は烏山第一住宅です。
完成は昭和33年、都内で17番目にできた団地です。

クレヤン8号のカラーページで紹介しているので、
久しぶりに訪れてみたんですが、
建て替えなのか取り壊しなのか不明ですが、
廃墟のようになっていました。

烏山第一住宅