ポチのクレヤン編集長日記:ポチことツルシカズヒコが書く身辺雑記

ダダイスト

午後、銀行でいろいろ用事を済ませる。
どの銀行も行列ができている。
いよいよ年末だなぁという感じである。

順番待ちしてる間、文庫本を読んでいた。
辻潤著『絶望の書/ですぺら』(講談社文芸文庫)である。
クレヤン11号の特集の中に伊藤野枝、大杉栄、および関連人物の、
名言集&迷言集を作ろうと思ったからだ。

ダダイストである辻潤は、
伊藤野枝の二番目の夫だった(大杉栄は三番目の夫)。
すでにコウ編集部員はこの本を読んでいて、
彼女からそのおもしろさを聞いてはいたのだが、
なるほど、読み出すと止まらなくなるのだった。
軽妙でユーモアがありシニカルで鋭い洞察。

大杉栄と辻潤、文明批判というスタンスが似ている。
そして彼らが100年前に残した「宿題」は、
100年後の今も古くなっていないというところが、重要である。

僕が一番おもしろいと思ったのは、
100年前も今もマスコミの体質がほとんど変わっていないところ。