ポチのクレヤン編集長日記:ポチことツルシカズヒコが書く身辺雑記

『秋刀魚の味』の加東大介

本日は萩原收さんの原稿が上がってきました。
ドキュメンタリー映画に関する原稿です。

僕は「勝手に加藤大介論」という原稿を仕上げました。
コウが書いた叩き台の原稿を仕上げたんですが、
加藤大介はやっぱり日本映画史上の名脇役なんですね。

1911年、明治44年生まれなんですね。
日本映画の黄金期である1950年代、加東さんは40代です。
日本映画の黄金期と役者として脂が乗り出した年齢が重なった、
というのも才能を開花させた理由だったのでしょう。

名脇役・加藤大介の数ある名シーンの中でも、
僕がもっとも好きなのは、
小津安二郎監督の遺作『秋刀魚の味』で、
笠智衆とバーでウイスキーを飲むシーンです。

「軍艦マーチ」が流れて、
それに合わせて敬礼をしながら行進をするシーン。
加東さんは年季の入った軍隊体験があるので、
敬礼の仕方が実に様になっている。

あのシーンの小津監督の演出が際立っているとも言えるわけで、
『秋刀魚の味』という映画、僕は好きです。