東電OL殺人事件

ポチのクレヤン編集長日記：ポチことツルシカズヒコが書く身辺雑記

2011-03-10（木）

上野千鶴子『女ぎらいニッポンのミソジニー』（紀伊國屋書店）を読み始める。
〈ミソジニー〉とは〈女性蔑視〉のこと。

拾い読みをしている段階なんだが、
東電OL殺人事件についての箇所が、引っかかった。
なるほどな〜という点は多々あり。
しかし、僕はあの事件に関しては、ちょっと疑問があるんだよね。

被害者の女性は慶応大学卒、東電勤務（総合職）、
ゆえにエリートっていう見方をされているでしょう。
だけど、本当のエリートって会社勤めをするのかな〜という疑問ですね。

被害者の女性は父親を亡くして、
経済的に一家を支える立場にあったから、
会社勤めをせざるを得なかったという見方もあるが、
東京に自宅があり、慶応大学に入れるぐらいだから、
今日明日の生活費がなくて困るような家庭ではなかったはず。

彼女は秀才ではあったかもしれないが、
秀才が実社会で有能とは限らないですよね。

会社は男社会だから、彼女の能力を生かせなかった？
でもね、しょせん会社なんて誰の能力も生かせないんじゃないかな。
個性より和を尊ぶのが会社ですよ。

彼女は自己主張が強い人だったのかもしれない。
そもそも、会社勤めには向いていなかったのではないか。
だからフリーの娼婦をやった（なぜ娼婦をやったかの上野千鶴子の言説には説得力がある）。

その体験をネタに小説家としてデビューするみたいなことになれば、
彼女も救われたのかもしれないですね。
しかし、小説家で食べて行くには秀才という次元とは違う、
桁違いな能力が要求されますよね。

そこまでの能力は自分にはない、だけど会社勤めもしっくりこない。
そのへんの葛藤は、まあ、よくある話ですよね。
特に高学歴の人には。

ともかく、会社勤めは人を根源的に幸せにはしない。
僕はそう思います。

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