ポチのクレヤン編集長日記:ポチことツルシカズヒコが書く身辺雑記

「闇」を えぐり出して死にたい

午後、北沢青色申告会に行って、
会社の確定申告をする。
お金のことを考えると自殺するしかないので、
考えないことにしている。

佐野眞一『甘粕正彦 乱心の曠野』(新潮社)、読了。
大杉栄を惨殺した責任者とされている甘粕正彦だが、
『甘粕正彦 乱心の曠野』によれば、
甘粕の人間的評価はすこぶる高い。

甘粕は大杉殺しの責任者に
仕立て上げられたのだという説は、
ほぼ間違いないようだ。
甘粕は手を下していない。

甘粕には迷いがない。
実に潔い。
だから最期は青酸カリを飲んで自殺した。

甘粕の思考や行動の原理は、
絶対的な天皇崇拝主義にあった。
彼は敬虔な宗教者なのである。
だから死を怖れない。
迷いがない。

大杉栄殺しの首謀者は誰だったんだ?
それを微塵も口外せずに死んでいったのは、
そうすることが(自己犠牲になることが)、
天皇崇拝主義者(天皇教の敬虔な信者)として、
最善の方策と考えたからなのだろう。

ところで、甘粕正彦が大杉殺しの刑を終えて出獄後、
身を隠したのが宮城県の川渡(かわたび)の「高友旅館」
という秘湯の宿。
川渡は現在、大崎市に編入されたが、
高友旅館はまだ健在なんですね。

甘粕は僕の故郷の小牛田(こごた)で、
陸羽東線に乗り換えお忍びで川渡に向かったらしい。

ともかく甘粕正彦は
大日本帝国の「闇」を呑み込んだまま死んだが、
僕は出版業界や扶桑社や『週刊SPA!』の「闇」を
えぐり出して死にたいと思い、
『「週刊SPA!」黄金伝説 1988~1995 おたくの時代を作った男』(朝日新聞出版)という本を書きました。
どうぞ、よろしくお願い申し上げます。
僕を自殺に追い込まないために、です。

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