ふもれすく年譜 1929年(昭和4年)


【1月】
●法政大学文学部英文学教授の森田草平、
鎌倉材木座から由比ケ浜に転居。

●生田長江によって大正5年から始まった
『ニイチェ全集』全十巻、完結。

【2月】
●堺利彦、
東京市会議員選挙に牛込区から立候補、
最高得票で当選。

【3月】
●辻潤『どうすればいいのか?』
(昭光堂文芸部/50銭)

【4月】
●大杉あやめ死去。

『新日本文学』2003年9・10月号
「大杉栄を受けとめた弟妹と娘たち」(大杉豊)

【5月】
●5/7
橘あやめ死去(29歳)。
大杉豊「大杉栄を受けとめた弟妹と娘たち」
(『新日本文学』2003年9・10月号)

【8月】
岡本一平、
全国高等学校野球選手権大会の取材で
阪神甲子園球場を訪れる。
この年大幅に増築されたスタンドが観客の
着衣で白く映え上がって見えたことを、
一緒に観戦していた息子の太郎が
「わあ、凄い。まるでアルプスみたいだね。」と形容。
その発言からインスピレーションを受け、
「ソノスタンドハマタ素敵ニ高ク見エル、
アルプススタンドダ、
上ノ方ニハ万年雪ガアリサウダ」と
イラストつきで朝日新聞に発表。

【9月】
東大在学中の宮本顕治、
芥川龍之介を論じた「『敗北』の文学」で
雑誌『改造』の懸賞論文に当選し、
文壇にデビュー
(次席は小林秀雄の『様々なる意匠』)。

【10月】
●長江、大杉栄訳『世界文学全集8懺悔録』
(新潮社)刊行。

●林芙美子の「九州炭坑街放浪記」が
『改造』10月号に掲載される。
洗濯した浴衣の替えがなかった芙美子、
真っ赤な水着を着て編集者に応対。
➡『明治怪女伝』

●10/24
ニューヨーク株式取引所で大暴落。

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