コウコラム:「服を買わない生活」の中で考えたアレコレを書きます

第270回 大人のコーディネート

前から気になってる類いの本に、
40歳以上あたりがターゲットらしい
「大人のコーディネート」的な、
服装術の本がある。

ああいう本って、
いったいどんな人が
読んでいるんでしょうか。

3月に49歳になる私には、
ものすごっくババくさく見えて
しょうがないんですけど。

娘の授業参観に着て行く
コーディネートがまるで、
夜の仕事に出かける人の
コーディネートだったりする。

しかし、私は世間知らずなので、
こういう服装をした中年女性が
私の知らないところに
たくさんいるんだろうか
と思い、

中目黒にお住まいの40代の主婦、
手芸部部員Yさんに
聞いてみた。

「授業参観とか、どんな服装で?」
「ジーンズとか、フツーの格好ですよ」
「こんな夜の人みたいな格好とか……」
「ハイヒールをはいてるおかあさんなんて
見たことがありません」。

中目黒は、都内でも有数の
高級住宅地のひとつです。

Yさんちのご近所には、
超有名元アイドル夫妻の豪邸もあり、
Yさんの小学生の息子くんが通う
テニスクラブには、
日本史の教科書に必ず載ってる
暗殺された政治家の末裔も
通っているとか。
ファッション関係、出版マスコミ関係の
人が好きな街でもある。

「うちは公立なんで……」
「じゃあ、私立とかの母親があんな?」
「えっ、ああ、いやあ、
小学校から私立に通わせるうちの人が
ああいう本で着る服を勉強してるって、
考えにくいですねえ」

私も不思議なのはそこで、
ああいう服装をする人はいるとして、
ああいうババくさなコーディネートを
わざわざ本で学ぶ、って人たちに
興味がわく。

私は考えました。
もしかして、田舎の人!?

いや、まてよ、
田舎の人といったらたとえば、
豪雪に苦しむ新潟県妙高市に住む
私の同級生や
上越市に住むうちの妹である。

ああいう本で
ああいうコーディネートを
勉強するかなあ……。

「うちの妹、デブだしねえ」
「コウさん、それは関係ないです」

考えに考えた結果の私の推理は、
あの手の本のメイン読者は、
ファッション雑誌の編集者!

小説のメイン読者が
小説家志望の人だったり、
雑誌を読んでるメイン読者が
雑誌編集者とその予備軍だったり、
単行本のメイン読者が
単行本編集者とその予備軍だったり、
いったいどこに読者がって思ったら
うちわだったってのは
なかなかにありそうな話でしょう。

いずれにしても、高価な既製品で
コーディネートするしか能がないって
未来を読めてないと思う。

40歳を過ぎると
着る服がなくなるっていうのは、
流行の既成服を雑誌のとおりに
いっくらコーディネートしても
かっこよくならない、
なあんだ、これってウソじゃん、
とようやく気づいたってことでしょ。

それをさらに、
既成服でこういうコーディネート!
とかを引き続き教えてあげるのって、

自分の頭で考えてみたい
っていってる子に、
ダメダメまだあんたバカなんだから
っていってる親みたいなもん
じゃないですか。

私が
「大人のコーディネート」的な本を
出版できるとしたら、
以下の項目はぜひ入れたい。

・ファッション関係者のいうことは信じるな
・日本人は西洋人ではない
・服を体に合わせろ
・自分のサイズを正しく知れ
・年齢にふさわしくなくていい
・自分は自分だと思え
・形より布が大事だ
・ファッション雑誌を読むな
・フツーの格好をしろ
・洋服の仕組みを知れ
・服は作れる

2月絶対発売希望の
『裁縫女子宣言!
 はじめて作る自分だけのシャツ』
(バジリコ)、
実物大型紙含め、
本日やっと入稿しました〜。

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●ワタナベ・コウの漫画単行本第2弾
『節電女子』発売中!

(発行:日本文芸社
 企画:エム・エム・クリエーション
 編集協力:ツルシカズヒコ

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『裁縫女子』(リトルモア)のインタビューなど】

雑誌『hito(ヒト)』3号

「サイゾーウーマン」

●歌人の枡野浩一さんとのユースト対談↓
http://www.ustream.tv/recorded/12750111

●写真家の大野純一さんとのユースト対談↓
http://www.ustream.tv/channel/ohnojunichi

●文筆家の近代ナリコさんの『裁縫女子』(リトルモア)書評↓
http://bit.ly/fHvj35

●『裁縫女子』は↓で最初の4ページが読めます(無料)。
http://xfs.jp/yVaxt

●YouTube 「クレヤン放送局」は↓
http://www.youtube.com/user/watanabe3kou