コウコラム:「服を買わない生活」の中で考えたアレコレを書きます
第1704回 新鮮な視線、素朴な視点
ワタナベ・コウさんは、
裁縫の先生でもありますが、
イラストや文書をかいたりもしています。
というわけで、
日本共産党中央委員会発行の雑誌
『月刊学習』で好評連載中の
「ワタナベ・コウの共産党発見!!」↓
現在発売中の3月号は、
「第27回党大会イラストルポ」です。↓
読んでいただいたみなさんから
たくさんの感想をいただいております。
ありがとうございます!
読者の感想では、
共産党の外にいるワタナベ・コウさんの
「新鮮な視線」が面白い!
と言ってもらうことが多いですね。
「なんとかここ(=ひとりで取材して
ひとりで文章を書けるようになる)まで
育てるのに25年かかった」
と証言するわがダーリンこと、
ツルシカズヒコ氏(元週刊スパ!編集長)
によると「あの連載の面白さは、
コウの『素朴な視点』」であると。
ツルシ氏と一緒になった25年前は、
新聞すら読んでなかったですからねえ、
ワッハッハッハッ。
『週刊朝日』でイラストコラムを
2年間連載していたときは、
元週刊誌編集長(=ツルシ氏)の個人指導でも
まるで書けなくて、毎週、泣きながら、
パソコンの前に座ってましたからねええ、
ワッハッハッハッ。
いやまあ、それはともかく。
新鮮だとか素朴だとか言ってもらえる
私の視線、まあ、つまり、
これまでいかに日本共産党や、
共産党にまつわる歴史(と思想)について
無知だったか、
の証明でもあるわけですね。
いや、もう、ホント、
知らなかったことばかりで、
共産党について取材したり
本を読んだりすることは
面白くて仕方ないですねー。
共産党について正しく知ることは、
日本の近現代史を学ぶことにも
なるわけですが、
同時に「今」を学ぶことにもなります。
共産党への偏見や誤解があって、
共産党への興味すら湧かない、というのは、
「今」を生きざるをえない人間にとって、
大変「損」なことだと思います。
*
今月発売の4月号では、
日本共産党と宗教に関する問題について
文と4コマ漫画をかきました。
「科学と宗教」という問題には、
以前から興味があったので、
共産党の宗教に対する見解と歴史は、
最大の疑問のひとつでもありました。
今回の取材に先行してまず読んだのが、
『宗教とは何か 科学的社会主義の立場』
(日隈威徳著 本の泉社 2010)↓
↑この本は、難解で、
決して読みやすい本ではありませんが、
宗教を多面的に分析した大変面白い本でした。
この本で、知ったことは多いのですが、
スーダラ節の俳優・植木等(1926〜2007)の
父、植木徹誠(てつじょう)が、
元僧侶の共産党員だったことを知りました。
しかも、戦前、ほとんどの宗教団体が
戦争協力体制にあったなか、
戦争反対を訴えて、治安維持法違反
(当時は戦争反対を訴えると逮捕された
という点に大注目ね)で逮捕されていた
という人です。
詳細は、
『夢を食いつづけた男 おやじ徹誠一代記』
(植木等著 朝日文庫 1987)↓
で読めます。
↑この本は、おそらく
朝日新聞記者の聞き書きなのでしょう、
落語調の語り口がリズミカルで、
大変面白く、ときどき泣かせながら、
読ませてくれる、よくできた本です
(しかし一部単純ミスがある)。
そして、植木等は、
真珠のミキモトの創業者、
御木本幸吉(1858〜1954)の縁者なんですが、
幸吉の長男の隆三という人が、
キャラ立ちしてるんですよ。
先に言っちゃうと、
ジョン・ラスキンのマニアで、
ラスキンに金をつぎこんで破産した人!
今、こういう人はいないでしょ。
ジョン・ラスキン(1819〜100)は、
イギリスの有名な思想家ですが、
ウィリアム・モリス(リバティの生地の
デザインに登場する人)の師匠のような人です。
このコラムにも何度か登場させていますが、
私は、ウィリアム・モリスの思想に
大変興味を持っています。
その関係で
『ウィリアム・モリスの遺したもの
デザイン・社会主義・手しごと・文学』
(川端康雄著 岩波書店 2016)↓
を読んだんですが、
↑この本に(も一部単純ミスがある)、
ラスキン・マニア、
御木本隆三について書いてあります。
ウィリアム・モリスには、
労働と美の問題を考えて
社会主義思想にいたった人、
という点に注目しています。
ウィリアム・モリスは、
マルクスの『資本論』『共産党宣言』を
最初に英訳した人で、
日本で『資本論』『共産党宣言』を
初期、読んだ人は、
このモリスの英訳本を読んで
その思想に触れたといわれているにもかかわらず、
エンゲルスに相手にされなかったことで、
社会思想家としてのモリスは、
あまり知られていないらしい。
で、今回、
日本共産党の宗教問題を学ぶに際して、
小林多喜二(1903〜1933)が
宗教について書いた文が収められている
『小林多喜二全集 第五巻』を↓
読んだら。
多喜二が、
小樽高商時代の恩師・大熊信行の
著書『社会思想家としてのラスキンとモリス』
(新潮社 1927)刊行にあたり寄せた文が
掲載されていました。
大熊信行(1893〜1977)は、
山形・米沢市出身の有名な経済学者で、
小林多喜二の経歴に必ずといっていいほど
登場する人です。
戦時中や戦後の立場で
評価がいろいろある人物らしく、
いまひとつ興味は湧かなかったんですが、
多喜二が『社会思想家としてのラスキンとモリス』を
絶賛している点に興味を持ちました。
しかも、なんだか、この本、
2004年に再刊されているらしく↓
まだ読んでないんだけど、
今度、読んでみようと思います。
大熊信行の有名らしい経済学の論文
「マルクスのロビンソン物語」は、
『近代日本思想大系35 昭和思想集1』
(編集解説 松田道雄 筑摩書房 1974)↓
で読みましたが、
頭がぐちゃぐちゃになりそうな論文だった。
簡単なことを言ってそうなんだけど(笑)。
↑この本は、とにかくまあ、読みにくい。
無理して読む必要はないと思われる内容
のように私には思われますが、
最後の松田道雄という人(ツルシ氏によれば
有名な人らしいが、よく知らない)の解説
「インテリのプロレタリアートへの信仰」
という「簡単な」解釈は、興味深い。
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