コウコラム:「服を買わない生活」の中で考えたアレコレを書きます
第1852回 Keep pushing! See the light?
ノーベル平和賞の授賞式の中継を見ました。
核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)の
ノーベル平和賞受賞については、
12/6発売の拙著
『ワタナベ・コウの日本共産党発見!!』
(新日本出版社)のあとがきでも
触れています。
ICANは、7月に国連で採択された
核兵器禁止条約の原動力となった
非政府組織です。
日本にも支部がありますが、
世界中のいろんな団体が
この条約締結に向けて署名活動などに
取り組み、そうした活動全体の代表として
ICANがノーベル平和賞を受賞しました。
私も署名したひとりとして、
ICANのノーベル平和賞受賞は
大変うれしく感じています。
活動にたずさわった被爆者のひとり、
サーロー節子さんの演説全文(英語)が
こちらに掲載されています。
サーローさんの演説は、
大変感動的なもので、
二度の「keep pushing」には、
涙がこぼれました。
おそらく歴史に残る名演説として
語りつがれるでしょう。
生で聞けてよかったなあ。
インターネットさん、ありがとう。
*
サーロー節子さん演説から、
私が感銘した部分を日本語に訳して
掲載しておきたいと思います。
原爆投下直後に、節子さんは、
崩壊した建物の中で目を覚まし、
同級生の「おかあさん、助けて」という声を
聞いていたところ、
男性に「あきらめるな」と声をかけられ、
建物から這い出て一命をとりとめたという箇所は、
演説のシメともつながる重要な部分です。
Then, suddenly, I felt hands touching my left shoulder, and heard a man saying: “Don’t give up! Keep pushing! I am trying to free you. See the light coming through that opening? Crawl towards it as quickly as you can.”
(突然、左肩にだれかの手が触れました。ひとりの男性の声が聞こえました。「あきらめるな、前へ進め、光の見える出口のほうへ、早く出なさい」と)
非業の死をとげた人びとを思い出してほしいと
聴衆に呼びかけるシーンも
印象深いものでした。
Today, I want you to feel in this hall the presence of all those who perished in Hiroshima and Nagasaki. I want you to feel, above and around us, a great cloud of a quarter million souls. Each person had a name. Each person was loved by someone. Let us ensure that their deaths were not in vain.
(今日、この場所で、広島や長崎で非業の死をとげた人たちがかつて生きていたことを想像してもらいたいと思います。私たちのまわりに、25万人の魂の大きな固まりが雲となって、そこここにいることを感じてほしいのです。彼らには名前がありました。だれかに愛され、愛する人がいました。彼らの死を決して無駄にしてはいけないと固く思います)
そして、私たちがよく耳にしてきた
「戦争を終わらせるための原爆」
についても。
But still some refused to see Hiroshima and Nagasaki as atrocities – as war crimes. They accepted the propaganda that these were “good bombs” that had ended a “just war”. It was this myth that led to the disastrous nuclear arms race – a race that continues to this day.
(しかし、依然として、広島、長崎への原爆の投下を、仕方ないことだったとする意見があります。戦争を終わらせるための “good bombs” (仕方のない爆弾)だったという作られた話を信じている人がいます。悲しいことに、そういう間違った解釈が核兵器競争を引き起こし、今日までその競争を長引かせているのです)
※注/goodは「よい」と教わりますが、
絶対的な「よい」ではなく、
まあまあ、どっちかといえば、
くらいの意味です。
次のセリフは、核兵器とはなにかを
端的に、客観的に表現しています。
These weapons are not a necessary evil; they are the ultimate evil.
(核兵器は必要悪ではなく、完全な悪です)
On the seventh of July this year, I was overwhelmed with joy when a great majority of the world’s nations voted to adopt the Treaty on the Prohibition of Nuclear Weapons. Having witnessed humanity at its worst, I witnessed, that day, humanity at its best. We hibakusha had been waiting for the ban for seventy-two years. Let this be the beginning of the end of nuclear weapons.
(今年7月7日、世界の国々の圧倒的多数が核兵器禁止条約を採択し、私はたまらなくうれしく感じました。最悪の状況のときに人類愛を見ることができました。人類愛が最良の状況を生み出したのです。私たち被爆者は72年間、核兵器廃絶を待ちつづけてきました。みんなで、核兵器禁止条約の採択を、核兵器の終わりのはじまりにしましょう)
All responsible leaders will sign this treaty. And history will judge harshly those who reject it. No longer shall their abstract theories mask the genocidal reality of their practices. No longer shall “deterrence” be viewed as anything but a deterrent to disarmament. No longer shall we live under a mushroom cloud of fear.
(信頼できる指導者たちはみんな核兵器禁止条約にサインしました。サインしなかった人たちには歴史が厳しく審判をくだすでしょう。抽象的な理論では、大量殺戮の現実を覆い隠すことはできません。「核抑止論」では軍縮は無理なのです。人類はこのあと二度と恐ろしいきのこ雲を体験しないと信じます)
※核保有国はサインせず、
日本はアメリカに追随して
条約にサインしていません。
To every president and prime minister of every nation of the world, I beseech you: Join this treaty; forever eradicate the threat of nuclear annihilation.
(すべての国の大統領と首相に私はなんとしてもお願いしたい。核兵器禁止条約に加わってください。核兵器による人類絶滅の脅威を完全になくしましょう)
When I was a 13-year-old girl, trapped in the smouldering rubble, I kept pushing. I kept moving toward the light. And I survived. Our light now is the ban treaty. To all in this hall and all listening around the world, I repeat those words that I heard called to me in the ruins of Hiroshima: “Don’t give up! Keep pushing! See the light? Crawl towards it.”
(13歳の私は、くすぶった瓦礫の中に閉じ込められていましたが、それでも、障害物をよけながら前へ進みつづけました。光の見えるほうへと向かいつづけました。今、私たちにとっての光とは、核兵器禁止条約です。この会場にいるみなさん、世界中でこの演説を聴いているみなさんに、広島の瓦礫の中で私が聞いた言葉を、もういちど伝えたいと思います。「あきらめるな。障害物をのりこえて押し進め。光が見えるでしょう。這いずってでもそこへ向かうのだ」)
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