コウコラム:「服を買わない生活」の中で考えたアレコレを書きます
第241回 『新白河原人』とノッチの話
DIYというサブタイトルに魅かれて
『新白河原人』(守村大著/講談社)を
読みました。
田舎への移住も丸太小屋作りも
ぜんぜんやる気ないんだけど。
飼ってる鶏をシメるとこの描写が、
卵キライには恐ろしかったね。
シメないとどんどん卵を産むらしく、
そうするとどんどん卵を食べないと
いけないことになるらしく、
それはそれで恐ろしかった。
いやしかし、
開墾から家作りをはじめた漫画家ってスゴイ!
新白河ってそんなとこなの!
服を自作する人間として
へえっと思ったのが、
木工にも「ノッチ」をあるってこと。
いや、木工のほうが先なんだろうけどね。
ノッチはV字型の切り込み、ですが、
木工では凹型の切り込み。
まさに凹に切り込んで、
2本の材木がピタッとはまるように
同じ型の凸型をもう一方に作る。
同じ型に切るのが大変らしい。
服作りのノッチは、
凹凸を組み合わせるわけじゃない。
縫い合わせるところの合い印なので、
はさみの先で、
3ミリ程度切り込むだけです。
正しくは三角に切り込むらしく、
アメリカのパターンを見ると、
まあそこら中に三角形の印が入れてあります。
で、三角に切り込みを入れるために、
縫い代も1.5cmとか多めなんだよね。
私は縫い代を裾とか以外は
ほぼ1cmに統一してるわけだけど、
1.5cmにすると生じる不具合は
ここでは省略。
しかし作ってみれば
その不具合はすぐに気づく。
リスク回避という点では
1.5cmのほうがいい場合もあるんだけど、
作り手に期待しているのは
縫い代1cmのほうだと私は思う。
手芸部もフリーコースの人で
アメリカのパターンを持参する人がいるんだけど、
縫い代を1cmに減らして縫ってもらっちゃう。
よくいわれることですが、
アメリカのお方は相当に不器用らしく、
まあナニ人はどうっていうのは、
例外もあるわけだから
そういう表現は使わないほうが適切なんだろうけど、
あのパターンを見ると、
不器用なアメリカ人てのを想定して、
というか自覚して作ってるっぽいよね(笑。
信用してない、というか(笑。
でも、三角にノッチを入れるのって、
ある意味、器用だともいえる。
三角に切り込むってわりとめんどうだしね。
けど、アメリカのお方の場合、
不器用だし(笑、個人主義だし(笑、
そう書いてあってもいちいち三角に
切り込んでいないかもしれない。
あとの縫い合わせを
ラクにするために入れるノッチなのに、
三角に入れろって書いてあると
三角に切り込みことに一生懸命になるのが
リーベンレンの特徴だからね(笑。
その真面目さでもって
奇跡の高度経済成長をなしとげたというべきか。
その真面目さでもって
世界に取り残されつつあるというべきか。
三角に布を切り込むと
端がボロボロする布もわりとあります。
布によって、三角に切り込んだり
直線に切り込むかを
選択すればいいんだろうけど、
たいていの人はどっちかに
統一されていないと怒る(笑。
それに、ノッチってあくまで目印で、
なきゃないで縫えなくはない。
まあ最も大事なのはそこだろ、と。
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