コウコラム:「服を買わない生活」の中で考えたアレコレを書きます
第30回 およめにいらしたねえさまに
トップページのイラストを更新しました。
なにかヒネリのあるイラストにしようと思ったんですが、
思いつかなくて、ひなまつりの絵にしました。
菱餅の色の順番を確認するために
『えほん百科 ぎょうじのゆらい』(講談社)を見てみました。
この本には私もイラストを描いているんですが、
わりと勉強になります。
菱餅の赤は、解毒作用のあるくちなし、
白は血圧降下作用のある菱の実、
緑には造血作用のあるよもぎを用いたそうです。
ひなまつりは、
紙で作った人形をかわりに川や海に流して
穢れ(病気や悪いこと、とも)をはらったのがはじまりです。
菱餅の素材から察するに、この穢れって、
やっぱり「おんなになったしるし」のことなんですよねえ。
そういう本当に知りたいことは、子どもの本なんで書いてないんだけど。
ひなまつりのページに童謡「うれしい ひなまつり」の歌詞が
4番まですべて掲載されていました。
改めて読んで、
こんな簡単な言葉だけでなんていい詩なの、
と感動しました。
♪あかりをつけましょ、ぼんぼりに、
ってやつですが、
2番の、「およめにいらしたねえさまに」って
フレーズに私はなんだかすごくシビれました。
ふと見ると、
作詞はサトウハチロー。
♪ちいさい秋、ちいさい秋、
は知ってたけど、「うれしい ひなまつり」まで
ハチローだったとは知らなかった。
ハチローと作家の佐藤愛子さんは異母兄弟です。
『血脈』(佐藤愛子著 文藝春秋)を読んだときは、
ハチローが、ちいさい秋、の作詞者なんて思えないほど
そりゃもうヒドい男だったことがわかり、すごく痛快でした。
『血脈』は、
ふたりの父、佐藤紅緑にはじまる、佐藤家の伝記小説なんですが、
ものすごく笑えます。
ハチローの話もおもしろいけど、
愛子さんのおねえさんの話がまたおもしろいんだ。
あれは、女のほうが笑って読めるはず。