コウコラム:「服を買わない生活」の中で考えたアレコレを書きます
第1660回 ゴブラン生地と日本国憲法第20条
今日のコウ手芸部では、
今年で参加5年目になるTさんの、
ゴブラン生地のワンピースが完成しました↓
バラ好きのTさんに
よく似合うワンピースです。
後ろ中心のファスナー部分の柄合わせも
完璧出来ているので、見てやってください↓
生地は、下北沢『もめんやまきの』で
購入したそうですが、
バラや葉に陰影がついた
まさに絵画を糸で表現した
凝った織りのゴブランです。
レトロなものや、クラシックなもの、
手工芸感あるものが流行っているので、
ゴブラン生地も、最近、人気ですね。
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さて、この「ゴブラン」の語源ですが。
私所有の古い服飾辞典での
「ゴブラン織り」の項には、
以下の説明があります。
「パリ郊外ビエブ河畔のゴブラン家は、
羊毛の赤染めで有名であったが、
国王アンリ4世は1607年、
2人のフランドルの織工に種々の特権を与えて、
ゴブラン家の近くにタペストリーの工場を建て、
ゴブランがこれを管理した。
ルイ14世のとき、
パリのタペストリーの諸工房は
王立家具製造所のもとに統率され、
〈ゴブラン製造所〉と俗称されるまでに
ゴブランの名が高まった」
この説明文、
非常にわかりにくい文だと思うんですが、
要するに、
ゴブランという名前が広まったのは、
レベルの低い「ゴブラン風」が大量生産されたせい、
と、言っているわけですね。
いまで言うなら「北欧風」という偽物によって、
マリメッコが広く知られた、みたいな(笑)。
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ヨーロッパの手工芸品の歴史は、
カトリックとプロテスタントの
血塗られた歴史でもあります。
高度な技術を持った職人の多くは、
プロテスタントだったようですが、
技術を持っているからこそ自立心があり、
プロテスト =protest =異議申し立てする人
だったわけですね。
アンリ4世(1553〜1610)は、
「ナントの勅令」を出した王様です。
「ナントの勅令」とは、
プロテスタント(=ユグノー)と
カトリックの融和をはかった
王様からの命令。
絶対君主制の時代ですから、
法律でないところは重要。
とはいえ、
統治者と同じ信仰を持たない人間でも
迫害しちゃダメだよ、
という命令を王様が出したので、
ユグノーも安心して仕事できるようになって、
フランスの商工業は発達したわけですね。
*
ちなみに、日本には「信教の自由」を認める
日本国憲法第20条がありますね。
靖国神社を参拝する防衛大臣が
法律をお勉強した人だっつうのは
信じ難い話ではありますが。
*
ところが、
ナントの勅令を廃したのが、
『ベルばら』にも登場するあのジジイ、
いや、ルイ14世(1638〜1715)。
絶対君主制だと、こういうことが起こるわけだ。
フランスはカトリックの国となり、
ユグノーを迫害、
高度な技術を持った職人が他国へ避難して、
商工業の衰退をまねき→財政圧迫→フランス革命、
となっていきます。
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