詳伝・伊藤野枝

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「詳伝・伊藤野枝」第352回 新興芸術

文●ツルシカズヒコ 原敬の暗殺を報じる号外を読み終えた佐藤春夫と大杉は、佐藤の部屋に入り対座した。 佐藤が大杉が執筆している自叙伝について聞いた。 「どうだ、書けた?」 「いや、何もしやしない」 「自分のことを書くのは難しいだろうね。どんな...
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第351回 原敬

文●ツルシカズヒコ 近藤憲二が懐に弾丸(たま)を入れる村木を見てから二、三日後、一九二一(大正十)年十月のある朝だった。 近藤と村木は蒲団を並べて寝ていた。 村木が蒲団から手を出して、煙草に火をつけながら話し出した。 「君の留守中にひとつ仕...
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「詳伝・伊藤野枝」第350回 弾丸

文●ツルシカズヒコ 一九二一(大正十)年九月九日、夜の十時、野枝は堺真柄とともに警視庁特別高等課に出頭させられた。 『東京朝日新聞』(九月十日)によれば、野枝と真柄は高津正道の妻・多代子とともに一時間ほどの取り調べを受け、多代子はそのまま検...
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「詳伝・伊藤野枝」第349回 典獄面会

文●ツルシカズヒコ 大杉栄「コズロフを送る」によれば、 一九二一(大正十)年七月三十日にラッセルを横浜埠頭で見送った大杉は、そこでイワン・コズロフと遭遇した。 ラッセルが神戸で日刊英字新聞『ジャパン・クロニクル』の主筆ロバート・ヤングを訪れ...
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「詳伝・伊藤野枝」第347回 バートランド・ラッセル(一)

文●ツルシカズヒコ バートランド・ラッセルが、営口丸で神戸に到着したのは一九二一(大正十)年七月十七日だった。 ラッセルは前年十月に二番目の妻となるドーラ・ブラックとともに中国を訪問、この年の七月まで北京大学客員教授を務めていたが、イギリス...
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「詳伝・伊藤野枝」第348回 バートランド・ラッセル(二)

文●ツルシカズヒコ 一九二一(大正十)年七月三十日、正午、カナディアン・パシフィック社のエンブレス・オブ・エーシア号が、横浜港からカナダのバンクーバーに向けて出港、同号でバートランド・ラッセルが帰国の途についた。 博士は愛人ブラック嬢…に助...
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「詳伝・伊藤野枝」第347回 バートランド・ラッセル(一)

文●ツルシカズヒコ バートランド・ラッセルが、営口丸で神戸に到着したのは一九二一(大正十)年七月十七日だった。 ラッセルは前年十月に二番目の妻となるドーラ・ブラックとともに中国を訪問、この年の七月まで北京大学客員教授を務めていたが、イギリス...
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「詳伝・伊藤野枝」第346回 赤瀾会講習会

文●ツルシカズヒコ 一九二一(大正十)年七月十八日から五日間、麹町区元園町の旧社会主義同盟本部で、赤瀾会夏期講習会が開催された。 岩佐作太郎、堺利彦、守田有秋、山川菊栄らの講師陣に交じり、野枝と大杉も講演した。 野枝は七月十九日、第二夜の講...
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「詳伝・伊藤野枝」第345回 新発田

文●ツルシカズヒコ 大杉が野枝と魔子を伴い新潟県の新発田を訪れたのは、一九二一(大正十)年七月十三日だった。 『改造』十月号から大杉の「自叙伝」連載が始まるのだが、その取材のためだった。 「雲がくれの記」(『東京毎日新聞』一九二一年八月十四...
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「詳伝・伊藤野枝」第344回 百円札

文●ツルシカズヒコ 野枝は『労働運動』二次十二号(一九二一年六月四日)の外国時事欄に「英国炭坑罷業形勢一転す」を書いた。 一九二一(大正十)年六月十一日、神田区美土代(みとしろ)町の東京基督教青年会館で、赤瀾会主催の婦人問題講演会が開催され...
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「詳伝・伊藤野枝」第343回 花札

文●ツルシカズヒコ 「男女品行問題号」である『女の世界』六月号は、アンケートへの回答も掲載した。 「良人が不品行をした場合、妻は如何なる態度を採るべきでせうか? その場合妻も亦良人と共に不品行をする事を許されるでせうか?」という質問を葉書で...
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「詳伝・伊藤野枝」第342回 男女品行問題号

文●ツルシカズヒコ 一九二一(大正十)年五月九日、神田区美土代(みとしろ)町の東京基督教青年会館で、日本社会主義同盟の第二回大会が開催された。 五月十日『東京朝日新聞』によれば、官憲の厳重な警戒の中、午後五時半に開場、場内は三千の聴衆で埋ま...