コウコラム:「服を買わない生活」の中で考えたアレコレを書きます

第1762回 「コレクション再発見 東北の作家たち」


Instagram



昨晩、無事に旅仕事から帰京しました。

宮城県大崎市の某記念館での取材が
主な目的でしたが、
地方の博物館や美術館の運営のきびしさを
改めて実感する取材となりました。

そうしたきびしい状況のなかで、
歴史的資料の散逸だけは防ごうと
苦労している学芸員の方たちの存在に
希望を見ました。

「学芸員がん」発言の自民党大臣にも
現場を取材してほしいですよね(笑)。

予定の取材がサクサクすんだので、
前から行きたかった
洲之内コレクション所蔵の
宮城県美術館に寄って来ました。

洲之内コレクションとは、
小説家で美術評論家の
洲之内徹(すのうち・とおる)氏の
コレクションです。

洲之内氏については、
コウコラム第442回 凝視と放心
などで読んでいただくとして、
コラムを読み返してもわかるように、
2013年はなにがきっかけだったか、
忘れたけど、
洲之内本にハマっていました。

そのときから洲之内コレクションのある
宮城県美術館に行ってみたいなあ、
と思っていたのでした。

開催中だったのは、
「コレクション再発見 東北の作家たち」。


↑松本竣介(1912〜1948)
「郊外」1937

日本が侵略戦争へと突き進んでいった
1930年代と似ているといわれる現在、
なにが起きていて、
日本はどこへ連れて行かれようとしているのか、
そして、そうした動きに対して私たちは
「人間」としてなにをすべきなのか、
を考えさせる企画だと私は受け取りました。

「戦争」という文字を使わずに
「戦争とは何か」を浮き上がらせる試みとして、
なんと洗練された企画であることか。

タイトルの「再発見」に企画意図が
スケて見える気もする。

第一次大戦期から第二次大戦期に、
東北出身、あるいは東北を拠点にした
日本人作家がどんな油絵(=西洋の手法)を
描いていたのか、
また、日本の手法である木版画で日本人作家が
なにを描いていたのか、
時代背景をわかって見ると
このうえなく面白い展示でした。

容易に権力と結びつき、
容易に戦争に協力してしまう「美術」が
正しい力を発揮するためには、
「人間」が必要なことがわかる企画でした。

そういう意図なく企画されているのに、
私が深読みしてるだけだったとしても、
それもまた「絵」の持つ正の力なんだなと。


↑大沼かねよ(1905〜1939)
「シューズ・クリーニング・ショップ」1933

*********************
コウ先生の楽天お気に入りリスト↓
●着物JAPANリスト
●洋裁手芸リスト
●キッチン器リスト
●ミシンリスト
●猫リスト
●美容リスト
●食リスト
●靴リスト
●雑貨家具リスト
*************************

コウ先生のLINEスタンプ第3弾
「猫のマリコ」堂々発売中!

14
(↑クリックすると販売ページに飛びます)

*********************
コウ先生画、LINEスタンプ発売中です!
↓クリックすると購入ページにリンクします。
banner01_300px

banner02_300px

iPhoneでのLINEスタンプの買い方はこちらで!
 

*********************
コウ手芸部
コウ手芸部Google+
ワタナベ・コウの子ども手芸教室
●FB裁縫女子宣言!
●FB「裁縫する女」と近代日本
ワタナベ・コウの楽天myページ
クレヤン放送局

*********************

*********************
2014/10/21に開催された、
ワタナベ・コウの和光大学での講演
「裁縫する女」のジェンダー・ポリティクス」の、
当日配布資料のpdfファイルです↓
「裁縫する女」のジェンダー・ポリティクス
*********************
雑誌『hito(ヒト)』3号にインタビュー掲載

●「サイゾーウーマン」インタビュー↓
Mサイズ信仰、リバティ族……
裁縫したいオンナたちの虚栄とプライド

●文筆家の近代ナリコさんの『裁縫女子』(リトルモア)書評↓
http://bit.ly/fHvj35