ポチのクレヤン編集長日記:ポチことツルシカズヒコが書く身辺雑記

「明治43年の大水害」と大逆事件


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うーん、
広島市の豪雨による土砂災害。
だいぶ被害が拡大
しているようですね。

●死者39人、不明43人に

日本の近現代史の水害といえば、
今から104年前、
1910年の8月に関東地方を襲った
「明治43年の大水害」があります。
Tokyoflood
東京下谷区
From Wikimedia Commons

荒川や多摩川が氾濫し、
東京では特に下町の
被害が甚大だったようです。

「明治43年の大水害」は
関川夏央&谷口ジロー
『「坊っちゃん」の時代』でも
描写されているが、
私の記憶が「実感」として
残っているのは、
図書館で当時の新聞に
目を通したからです。

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なんで当時(1910年)の
新聞(東京朝日新聞)を
チェックしたかというと、
この年の5月末から
大逆事件関連の検挙が
始まったからです。

新聞でどんな報道をされたのか、
知りたかったのです。

でも、予想外に小さな記事でした。
ベタ記事ってやつです。

写真入りで目立っていたのが
大水害関連の記事でした。

それでふと思ったのは、
こんなことでした。

権力側は大水害に紛れて、
隠密裏に検挙を敢行できたのかも。
ジャーリズムや民衆の関心が
水害に奪われている間隙を
ついての検挙だったのではないかと。


当時、入獄していて間一髪、
逮捕されずにすんだ大杉栄も、
妻の堀保子宛ての手紙に、
こんな一文を書いています。

〈ことしは初夏以来
雨ばかり降り続く妙な気候〉

漱石が胃潰瘍の静養のために
伊豆修善寺に逗留。

その最中に大量の吐血をして、
生死の間を彷徨った
「修善寺の大患」は8月24日の夜。

伊豆も集中豪雨の被害が
大きかったようです。

水害と国家権力の理不尽な発動。
そんなこと、ないといいが。

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