ポチのクレヤン編集長日記：ポチことツルシカズヒコが書く身辺雑記
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映画『1900年』とムッソリーニのラスト
映画『1900年』の2部を観ました。
少年を犯した（男色）後、
その少年をなぶり殺したり、
豚を解体したり、
馬が肛門から糞をするシーンの
ドアップがあったりと、
2部にもエグいシーンあり。
ファシストによって弾圧される
社会主義者たち（パルチザン）の面々。
なんだかやりきれない
救いのない状況が続くが、
1945年4月25日のイタリア解放により、
すっきり晴れわたる
（その場面展開が見事です）。
1900年生まれの男ふたりも再会。
ふたりは地主と小作人の関係だったが、
ふたりの間には友情が成立していた。
しかし、立場は逆転。
元地主は人民によって
裁かれる立ち場になった。
はたして元小作人は
元地主にどんな裁きをするのか・・・。
それから、たぶん
20年ぐらいの時間が経過。
ふたりの男が少年時代に
度胸試しをした懐かしの線路。
初老の老人が線路に横たわる。
黒煙を吐き出して迫り来る汽車。
この映画のラストシーンである。
救いのあるような、ないようなラスト。
いや、あれはやっぱり
ハッピーエンドなのだ。
すばらしいラストでした。
絶句のあまりしばらく
席を立てないってやつです。
エグくてグロいシーン。
あれはきれいごとだけでは
すまさないぞ、
というリアリズムの手法であり、
商業映画では稀な映像を
敢えて入れたと考えられます。
惜しむらくは、
ホモソーシャルの枠を
超えていないこと。
今から40年以上も前の映画ですから、
仕方ないですかね。
さて、この映画の2部は
第二次世界大戦前から終戦までの
イタリアを描いているわけですが、
そのころのイタリアについて
wikiで調べてみました。
●1939年9月、ポーランドに侵攻した
ドイツにイギリスとフランスが宣戦布告し、
第二次世界大戦が始まる。
●1940年9月、日独伊三国同盟締結。
この年、イタリアもイギリスとフランスに
宣戦布告し第二次世界大戦に参戦。
1937年11月に締結された
日独伊防共協定記念の日本の絵葉書
From Wikimedia
●戦線の悪化により1943年7月、
ファシスト党の反ムッソリーニ派により
ムッソリーニが逮捕され、
バドリオ政権が成立。
●バドリオ政権は連合軍と休戦交渉を進め、
1943年9月に連合国軍に無条件降伏調印。
1943年10月、
連合軍の一員としてドイツに宣戦布告。
●幽閉されていたムッソリーニは
ドイツ軍の特殊部隊によって救出され、
北イタリアにナチスドイツの傀儡国、
イタリア社会共和国を樹立。
ドイツ軍＆イタリア社会共和国軍、
連合国軍、パルチザンによる内戦状態に。
救出されたムッソリーニ
From Wikimedia Commons
●ドイツ劣勢に伴い、
1945年（昭和20年）4月25日に
イタリア社会共和国は
レジスタンス活動によって解体される。
●ムッソリーニは
イタリアからの脱出を図ったが、
4月28日に愛人のクラーラ・
ペタッチと共にパルチザンに捕らえられ、
即刻処刑される（ヒトラー自殺の2日前）。
すごいなと思うのは、
ムッソリーニと愛人らの死体が
ミラノの広場で民衆の前に
晒されたという事実。
そして、その写真がwikiに
堂々と掲載されていること
（これです。閲覧注意）。
なんでムッソリーニらの
死体が晒されたかというと、
ファシスト党員が赤狩りをして
処刑したパルチザンの死体を晒したから。
報復したわけです。
『1900年』の冒頭とラストに
パルチザンによるイタリア解放後、
ファシスト党員とその妻が
民衆に捕縛され、公開処刑される残酷な
シーンがありますが、
これも報復だったんですね。
『1900年』のリアリズムは重いな。
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