ポチのクレヤン編集長日記:ポチことツルシカズヒコが書く身辺雑記
歴史とジャーナリズム
某週刊誌で人物ルポを書いている
ライターの方と会った。
彼はある人物についてのルポを書くために
取材中なのだが、
「連合赤軍事件の全体像を残す会」の会合に
僕がなぜ出席しているのか、
出席してどんな感想を持ったかを
僕に聞いてみたいという
彼からの申し出があり、会ってみたのだ。
僕が連赤に興味を持っているその理由は、
『週刊SPA!』編集長時代の体験が大きい。
オウム真理教による
地下鉄サリン事件が起きた当時、
僕は『週刊SPA!』の編集長だった。
事件後、
上祐史浩と宅八郎の対談を
『週刊SPA!』誌上に掲載したところ、
ツルシ編集長はオウムの犯罪を擁護するのか
という見方をされ、非常に違和感を持った。
僕はオウムの犯罪の擁護などしないが、
オウム側の人間の生の声を
誌上に載せることは
意義があると確信していた。
オウムは狂気の集団だから
即座にぶっ潰せという
論調一色に染まっていた
マスコミ報道に違和感を感じていたから。
で、連赤事件に関するマスコミ報道にも
同様な違和感を持ち始めたんです。
「マスコミの報道犯罪」という意味では、
連赤の事件もオウムの事件も
共通するものがあると思う。
来年はあさま山荘事件の「40周年」。
連赤に関しては40年の時が経過したから、
当時の関係者の発言も表に出るようになった
という背景はあると思う。
遺族の親たちも亡くなられた方が多くなり、
「遺族感情」もあまり
問題にならなくなったという背景。
ライターの方はそれを
もう「歴史になったから」
という言い方をしていたが、
確かに「歴史」にならないと
実証検分がしづらい
というのはあるだろう。
ライターの方によれば、
新撰組も同志を殺害しているが、
歴史になっているから
「研究」対象になるのだそうだ。
地下鉄サリン事件は、
まだ16年の歳月しか経過していない。
「歴史」になり「研究」対象になるには、
やっぱり40年ぐらいの時の経過が
必要なんだろうか。
そうだとするならば、
リアルタイムで時代と関わる
ジャーナリズムってなんなんでしょうね。
※
そもそも連赤関連の本に
興味を持って読み始めたのは、
ワタナベ・コウだった。
90年代初めごろだったかな、
コウが連赤関連の本を読み始めたのは。
コウの影響で僕も連赤関連の本を
読むようになったのです。
クレヤンという雑誌は
こういうふたりが作っています。
でも左翼とか思想的な偏りはありません、
念のため。
※
オウム事件当時の『週刊SPA!』に興味のある方は、
拙著『「週刊SPA!」黄金伝説』(朝日新聞出版)が
貴重な資料になっております。
どうぞ、御一読下さい。
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●ツルシカズヒコvs中森明夫対談(『週刊朝日』2010年7/2号)
●「鈴木邦男の愛国問答」(第53回)
●「鈴木邦男の愛国問答」(第55回)
●『AERA』2010年7/19号に鈴木邦男さんの書評掲載
●TBSラジオ「小島慶子 キラキラ」の吉田豪さんコメント(2010年7/1オンエア)
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