第939回 ブークレとアストラカンと、らいてう


今日の手芸部
製作途中のモノをまるまる忘れて
(残りの布のほうを持って来た!)
スゴスゴと帰って行った(笑)Tさんが、
ブークレのミニスカートをはいてた
(かわいかった〜)!

(早速ネタにしたイラスト格言!)

うわ、昨日のコラム
ブークレのこと、書いたばっかり!
(もしかして、それで?)って言ったら、
「あ、昨日のはまだ読んでません」って。

てことは、テレパシーかあ(笑。

いや、やっぱり、流行ってるのね、
今年は、ブークレ。

そして、
昨日のポチコラム
アストラカンが登場してました。

なんてタイムリーなの!

ブークレは、確かアストラカンとも
呼ぶんだったよなあ。

てことで、おぼろげな記憶をたどり、
手元の文化出版局刊『服飾辞典』を
見てみたところ、
ブークレの項目にそういう記述は
ありませんでした。

けど、検索してみたら、
もうまるでブークレなのが
「アストラカン」ってなってるのも↓
ありました。

生地の名前は、
ホント複雑なんだけど、
間違った呼び名が
そのまま定着してしまったり、
間違って覚えてる人がいたり、
いろいろです。

ま、それだけ、
ブークレとアストラカンは似てる
ってことですね。

そもそも、ブークレは
「ループ」って意味だし、
アストラカンの特徴は、
「ループ状の毛」なので、
まあ、同じものだと言ってもいい
わけですが。

(「アストラカンみたいな強い巻き毛」って記載あり↑)

けど、ブークレの中には、
アストラカンとぜんぜん似てない
ブークレもあります。

で、アストラカンに似てる
ブークレのほうが、
高級感あるように見えます。
なぜなら、アストラカンは
高級毛皮だから。

(毛糸にもアストラカン風あります)

いや、実は、アタシが、
例のコートに使ったモヘアプードルボアを
即買いしたのは、
モヘアウール×コットンという
非アクリル素材であることも
決定打でしたが、
「アストラカンぽくてかわいい!」
と思ったことも理由でした。

(リアル・アストラカンの衿つき↑)

「プードル」は、もちろん、
犬のプードルのことで、
プードルのような巻き毛のフェイクファーを
プードルファーとかプードルボアとか
呼ぶわけですが、
アストラカンも巻き毛なんですよ。

アストラカンは、
リアルファー(毛皮)の名前ですが、
旧ソ連のウズベキスタンが原産の
カラクールという羊の毛です。

生後数日以内に毛皮にしたものだけが
アストラカンだそうで、
それ以上たった子羊の毛は、
カラクールラムと呼ぶらしい。

(私が買ったプードルボアに似てる↑)

生後数日以内なわけですから、
アストラカンって、
超高級毛皮なんだよね。

そして、
巻き毛風に織った織り方や生地を
アストラカンと呼ぶこともあり、
また、
アストカラン風のウール地として
アストラカン・モヘアというのもあります。

アストラカン・モヘアというのが、
アタシが買ったモヘアプードルボアに
超似てます。

(このアストラカンも似てる↑)

なので、
アタシが作った試作第2弾のコート
ロシアのコートみたいと言われたのは、
プードルボアがアストラカンに似てた
からなんですね。

いや、それにしても、
そんな超貴重で超高価な
アストラカンのマントを大正時代に、
身につけて(山へセックスしに行った)
平塚らいてうというオンナは!

(らいてうは編み物↑好きでした)

らいてうは教科書にも載っていた女性で、
一般的には「なんだかよく知らないけど
女なのにエラかった人」みたいに
思われてるようですが、
アストラカンを身につけてたってだけで
「ホントにそんなエラかったのか?」
という疑問をアタシは抱きましたね。

いや、それは冗談で、
優生主義的な考えを持っていたこと、
本能としての母性をタテに、
国家主義的家族観を主張して
翼賛活動を行なった点で、
「単なるエラい女性」じゃありませんよ。

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