コウコラム:「服を買わない生活」の中で考えたアレコレを書きます

第19回 ボタンつめ放題、そして、さよなら大和

F県のSさんから「また祭りに行って来ました」というメールが来た。
祭りとは服地の祭典というやつで、
以前報告を受けたのもこの時期だったろうか。
今回の祭りの目玉は、ボタンつめ放題15×20センチの袋で105円。
野菜のつめ放題に比べたらなんて夢のある企画だろう。
ボタンつめ放題! なんて素敵!

私もたぶん小さいころは、洋裁の得意な叔母に連れられて
服地の祭典に行ったことがあるはずだが、ほとんど記憶がない。
それより、デパートの催事場でのイベントで思い出すのは、
西崎みどりだ。

西崎みどりは、私がはじめてナマで見た芸能人だ。
デビュー直後で売り出し中だったのか、
なにかヒット曲があって売れていたのか、どういう流れで、
うちの田舎のデパートごときに来ていたのか知らないが、
催事場で西崎みどりを見た直後、テレビで西崎みどりを見た。
本物の芸能人だったんだー。
私はものすごく興奮した。

それ以来、忘れられない、西崎みどり。
ニシザキミドリ、とても語呂のいい名前だ。
確か、演歌っぽい歌謡曲を歌う歌手だったと思うのだが、
今も活躍していらっしゃるんだろうか。

西崎みどりが来ていたデパートは大和という。
大和は「ダイワ」と読む。
西武有楽町店が閉店されることなんてちっとも悲しくないが、
去年、新聞で、大和上越店が閉店されるという記事を読んだときは
とても悲しかった。
もう閉店されたんだろうか、まだあるんだろうか。
高田の夜桜祭りくらいまではあってもいいと思うけど。

大和上越店は、私にとっては「高田の大和」である。
高田は現在の上越市だが、私にとってはずっと高田。
大和は高田のメインストリート、本町通りにあった。
大和のあったエリアが本町通りの中でも一等地だったはず。
というか、私にとって大和のある場所が一等地だったのだ。
懐かしい、大和。
大好きだった、大和。

洋服は大和で買うのがオシャレなんだと信じていた。
高校の授業が終わって「汽車」に乗って帰宅する前に
大和の地下で焼きうどんを食べるのが楽しみだった。
焼きそば、だったかもしれない。
ソフトクリームだったような気もする。