コウコラム:「服を買わない生活」の中で考えたアレコレを書きます

第1202回 奄美の青年たちが慰霊碑を建てていた




第1201回コラムに追記しましたが、
永田浩三氏がトークイベントで触れたらしい
中村安太郎と伊藤野枝の関係について、
Twitterで教えてくれた方がいました。

奄美の青年たちが
野枝たちの慰霊碑を建てていた

という関係性だったようです。

さて、慰霊碑を建てた話が
なぜわざわざ取り上げられるのか。

大杉栄と伊藤野枝は、
「みんなの平和」を乱すワルいヤツら
として殺されたので、
当時から現在に至るまで、
その死を悼むなんてとんでもない、
お前も仲間だ→だから悪者→だから仲間はずれ、
ってことになるわけですね。

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稲作が日本に伝来して以来、
田んぼの水を回してもらえないと
食べられなくなります。

だから、日本(だけじゃないか)では
仲間はずれがいちばんコワい。
死とイコールだからですね。

前回コラムにも書いたように、
仲間はずれをするのは、
動物の、生きようとする本能です。

しかし、といって、
人間はひとりでは生きられず、
社会の中で生きるしかない。

生きたい→殺されたくない→
仲間はずれされたくない→
「余分」を殺して自分は生きよう、となり、
そこで有効に作用するのが「多数決」。

ちなみに、私が、
「多数決」に疑問を抱いたのは
中学生のとき。

毎回、自分が副級長に選ばれるので、
多数決は不平等だ
(自分の時間がなくなるからイヤだった)、
と担任教師(女性)に申告して、
長い説教をされ、
説教する先生の背後に沈む夕日が、
ものすごく赤くて黄色くて、
きれいだったのを強烈に記憶しています。

(つまり、説教なんか聞いちゃいねえw)
 

中島梓氏は
『コミュニケーション不全症候群』の中で、
水槽にキャパを越えた数の金魚を入れると、
金魚は余分な数だけ金魚を食い殺す、
という話を書いています。

仲間はずれにされた生き物は、
動物の場合、
金魚のように肉体を殺されますが、
人間には、
肉体を殺す以外に、
精神(こころ)を殺すという方法もあり、
これが、仲間はずれ、なわけです。

中島梓氏は、
ヒューマニズムという言葉は、
人間にヒューマニズムがないからあるのだ、
と書いていて、これを読んだとき、
言葉の成り立ちについて考えたものです。

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