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今夜は、
やや赤みを帯びて煌煌と輝くスーパームーンを
拝みました。願かけしておいたぜ（笑。

さて、月と言えば。

閲覧数がものすご勢いで増えている
ツルシカズヒコ執筆大型連載
「伊藤野枝1895-1923」の絵を描くために、
絵師（笑）ワタナベ・コウが、
利用しているこのサイト↓
スゴいんですよ。

●月齢カレンダー

西暦年月を入れて計算実行すると、
野枝が生きてた明治大正時代
（最も古い西暦は1590年！）の月の形
だってわかってしまうという。

満ち欠けのリズムが計算できれば
簡単なことなのかもしれませんが、
野枝が歩いた夜道に浮かぶ月の形を
知りたかった絵師としては
うれしい発見でした。

そして、スーパームーンこと、
煌煌と輝く満月、と言えば。

伊藤若冲（いとう・じゃくちゅう）の
梅花皓月図（ばいかこうげつず
Plum Blossoms and Moon）！

若冲 梅花皓月図 黒金 袋帯 価格：75,085円（税込、送料込）

若冲さん、なあんか好きなんですよぉ。

で、梅花皓月図について確認しよう
とググったら、
今年は若冲生誕300年なんですね↓

●生誕三百年　同い年の天才絵師　若沖と蕪村

東京オリンピックに向けてなのか、
西洋が発見してくれた
日本の「伝統」の展覧会が
多いですなあ、今年は。

（↑日本の「伝統」について初心者向けに
書かれたこの本、面白かった）

梅花皓月図は、
動植綵絵三十幅のひとつで、
この中の「軍鶏図」は、
若冲の最も有名な作品のひとつ。
気持ち悪いほどにリアルなシャモ！

「軍鶏図」のような、
デフォルメを加えながらも
実物よりもリアルな動植物が有名な絵師、
若冲さんですが。

こんな漫画タッチの絵も描いております。

「托鉢図」とか↓

※『かわいい江戸絵画』より

「伏見人形図」とか↓

※『かわいい江戸絵画』より

特に「伏見人形図」は、
なんとも言えないかわいらしさが
大好きなんですが、
実際の伏見人形は、
職人さんが作ってるものですから
左右均衡なわけですよ。

それをわざと左右不均衡に描いて、
「素朴さ」を強調し、
伏見人形の「かわいい」の理由である
「素朴さ」の絵化に成功しています。

「絵そのものを工芸品と同じように
考えていたからでは」と、
『かわいい江戸絵画』↓の中で
金子信久氏は解説していて、
この部分は非常に興味深い。

府中美術館は、わが家と同じ沿線で、
わりと行きやすいし、
江戸絵画ものをよく企画するので
好きな美術館なんですが、
「かわいい江戸絵画」展は、
ホント面白かった！

この図録は、「かわいい」の考察が
たっぷり書かれているので、
「かわいい」のルーツを追求したい人には
超おすすめです。

（中身の紙は厚くて立派なんだけど、
表紙含め造本がややちゃっちいのも
図録ならではのかわいさか……）

＊

いやいや、それで、アタシ、今、
刺繍にハマってるでしょ。

刺繍の「かわいさ」は、
バングラデシュのノクシカタに
代表されるような「素朴さ」にあると
考えているんですがー（なので
ヨーロッパ刺繍はかわいくない、
という認識です）。

なにせ、ほら、
アタシ、絵が上手なもんで（笑。

下絵なんか描いちゃったら、
単なる「上手な絵」をなぞって
刺すことになってしまい、
「かわいい」刺繍にならないわけですよ。

だから、
下絵なしで刺しているんですが、
それでも妙に均等さが出てしまい（笑、
「不揃い」感が出ないのが不満で不満で。

で、あるとき、
夏休みに、子どもちゃんとか、
大人の刺繍はじめてちゃんに教えるために、
見本で、そして、色味を見るために
試しで刺してみたこの猫↓とそのほかが
妙に「かわいい」出来であることに気付き。

fadebookにアップしといたら、
いいね！してくれたHさんが、
先日、手芸部に参加しまして、
実物を見せたらば、
「なあんか、オシャレなんですよねええ」って、
ため息をついてくださいまして（笑。

この「なあんか」の部分を、
アタシ自身も追求し、
再現したいわけですよ、つまりは。

＊

で、このいいかげんに刺した猫をながめて、
そうかー、目を左右同じに刺しちゃうから
かわいくないのかなあ、と思って、
わざと左右不均等に刺してみたりしてるんですが、
「わざと」は、やっぱり「わざと」なんだよねえ。

で、それなら、
絵が下手、というか、
下絵を写して（あるいは、
下絵がプリントされてる布に）
そのとおりに刺しながらも下手くそな刺繍
（ごめんよ、正直者で、笑）
って存在するでしょう。

それが「素朴」かと言えば、
そういうのは「素朴」ではなく、
正確さを目指して一生懸命チクチクした
結果の「下手」、というか、
「未達成」感というのか、
そういうのはやっぱり、
ただの「下手」であって、
「かわいい」ではないんだよねえ。

まあ、その「下手くそ」が、まれに
「かわいく」見える場合もあるから
ますます不思議で。

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