コウコラム:「服を買わない生活」の中で考えたアレコレを書きます

第95回 ハスの思ひ出、そしてハチス

日経新聞夕刊に「外来スイレン 繁殖の芽摘む」
という記事が載っていて、記事の中に、
私の生まれ故郷「新潟県妙高市」の文字を見つけました。

読んでみたら、
外来スイレンは在来の植物の生態系を乱してしまうんだそうで、
わが妙高市のいもり池でも
一本一本スイレンを引き抜く撤去作業を行っている、
ということでした。

いもり池は、わが妙高市の超有名なスケッチ・スポット、
帽子をかぶってベストを着たおばさんがたくさんいます。

なんでスイレンの記事なんか読んだかっていうと、
スイレンとハスは違うものですが、
私にとっては同じようなもんで、
スイレンとかハスには妙に反応してしまうんです。
厳密にはハスのほうだけど。

私の母の生まれ故郷であり私が高校生時代を過ごした
上越市(妙高市のとなり)にある高田公園のお堀は、
「東洋一のハスの名所」と言われます。
どこが東洋一なんだかわかんないけど(面積か本数か)、
まあともかくあのお堀がびっしりハスで埋めつくされていた映像は
忘れたくても忘れられません。

上越市では高校の多くはそのお堀の縁に建っています。
わが母校、高田北城高校の前ももちろんお堀で、
私は3年間、
ハスに埋めつくされた不気味なお堀をながめて通学しました。
ああいうロケーションの高校ってなかなかないのでは。

誰から聞いたのか思い出せないけど、
お堀に飛び込んで死んだら
ハスの葉っぱがジャマで死体が浮かんで来ないとか、
だからそのまま沈みっぱなしになってる死体がいっぱいあるとか、
ああ、カナヅチの私なんてますます浮かんでこないよなあとか、
でも、なんだか「呼んでる」ようにも見えるよなあとか、
コワいコワいハスのお堀でした。
高校時代は人生の暗黒時代だったんで、
そういう気分がハスのお堀を不気味に感じさせただけかもしれませんが。

それがなんの因果か、
ハスの聖地とも言えるようなヒンズー教の国、
インドの言語を学ぶ大学に進学したんですから、
やはりハスに呼ばれていたような気がしないでもありません。

ちなみにハスの別名はハチス。
花が落ちたあとの茎の断面が蜂の巣に似ているからだそうですが、
ハチスあるいはハチノスという生地があります。
ワッフルとも呼ぶ生地です。
布巾とかベビー用の衣類、バスローブなんかに使われる生地で
吸水力にすぐれています。
1枚もので使うのに向く生地なんで、
ノースリーブ・ブラウスには向きません。
持って来ないで!