ポチのクレヤン編集長日記:ポチことツルシカズヒコが書く身辺雑記

92年生きてきて一番楽しかった記憶

宮城県美里町の実家に帰省。

夕食を食べなから母に聞いてみた。
「92年生きてきて一番楽しかった記憶ってなに? 」

母は即座にこう答えた。
「実家を出て大学病院の寄宿舎に入ったこと」

大正9年(1920年)生まれの母の実家は宮城県の女川にあり、
父親は水産加工関連の自営業者だった。
食べることに困るほどではなかったが裕福ではなく、
子だくさんの家庭で育った母は、
高等小学校卒業後、今の東北大学附属看護学校に入学した。

給料をもらいながら看護婦の資格が取れて、
将来は経済的な自立を可能にする道を、
母は自分で切り開いたのだった。

母は姉と私のふたりの子供を産んで育てたのだが、
そのころのことが母にとって
一番楽しい記憶かなと思っていたのだが、
そうではなかったのだった。

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