ポチのクレヤン編集長日記:ポチことツルシカズヒコが書く身辺雑記

相互扶助論


午前中、曙橋の歯科医院へ。
月一回の定期メンテナンスを
していただきました。
もう20年ぐらい通い続けている
ご夫婦で開業している歯科医院さんです。
これも何かの縁なのでしょう。

曙橋の某事務所前で咲いていた花。
花の名前は知りませんが、
この季節の花には生命力がありますね。

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『大杉栄 伊藤野枝選集 第八巻
相互扶助論 クロポトキン』
(黒色戦線社)を読みました。
これも飛ばし読みですが。

ダーウインの『種の起源』
(On the Origin of Species)が
出版されたのは1859年。

人間はサルから進化したものだという
今では至極当たり前のことを
実証した「進化論」は、
宗教界などから大反発を
くらったのもさることながら、
「生存競争」や「適者生存」といった
言葉が差別を正当化するために
悪用されたということも重要です。

たとえば、近代化という「生存競争」で
東洋は西洋に負けたから、
東洋は西洋より劣る、
ゆえに西洋が東洋を植民地化
するのは必然なのだ、
といった悪用です。

ちなみにダーウィンは
「生存競争」や「適者生存」に
勝敗や優劣のような
概念は持ち込んでいません。

そうした「進化論」の悪用に
異を唱えたのがクロポトキンの
『相互扶助論』(1902年)でした。

動物界においては確かに
「生存競争」や「適者生存」はあるが、
一方で互いに助け合う
相互扶助という本能も動物にはあり、
この相互扶助があるからこそ、
その種は「生存競争」を克服し
「適者生存」することができるのだと、
クロポトキンは論じております。

このクロ(大杉栄と伊藤野枝は
クロポトキンをクロと呼んでいたようです)
の論を人間界に敷衍すると、
こんな理屈(思想)が生まれます。

無政府状態になると人間は
「生存競争」により殺し合いをするから、
それを強力に取り締まる
中央集権的なシステムが不可欠なんだ
という考え方がソビエトに
代表されるマルキシズムです。

しかし、アナキズムはこう考えます。
無政府状態になっても人間には
本能的に相互扶助能力があるから、
人間の自由を束縛する中央集権的な
システムなんかなくても、
やっていけるんじゃないかと。

大杉栄全訳の『相互扶助論』が
出版されたのは1917年10月、
ロシア革命のひと月前でした。

へ〜と思ったのは、1907年の冬、
ある日本人の作家がロンドン郊外に
住むクロに面会していることです。
その作家の名は有島武郎です。

20140704_ph02


本日のクレヤン編集部の映画鑑賞会は
『眺めのいい部屋』(A Room with a View)。

エドワード・モーガン・
フォースターの小説の映画化です。

フォースターがこだわっていた
「同性愛」的なシーンがあります。
これには笑った。

三人の男、
中年と青年と少年がフルチンになって
森の中の池に飛び込み、
池の回りを走り回るという、
非常にユーモラスなシーンです。

1907年のイタリアのフレンツェと
イギリスのロンドン郊外が舞台になっており、
シンプルなストーリーで
非常に気持ちのよい映像が
印象に残りました。

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