ポチのクレヤン編集長日記:ポチことツルシカズヒコが書く身辺雑記

『平凡パンチ』凋落の原因

塩澤幸登『平凡パンチの時代ー1964年〜1988年 希望と苦闘と挫折の物語』(河出書房新社)を読み始めた。

これは、塩澤幸登がマガジンハウス社員時代に作った(編集と執筆を担当)マガジンハウス編『平凡パンチの時代』(マガジンハウス)の改訂本なのだが、マガジンハウス編の元本には記されていなかった、塩澤の鋭い見解(マガジンハウス批判)が盛り込まれている。

たとえば、『平凡パンチ』の表紙に関して。
創刊から7年半、表紙イラストを描いていた大橋歩が清水達夫(初代編集長)に直訴して、「パンチの表紙を降りる」のだが、塩澤はそれがそもそも『平凡パンチ』凋落の原因だったという見方をしているのだ。

大橋の責任というより、大橋の「パンチの表紙を降りる」という申し出を清水は編集者として、認めるべきではなかったと。なぜなら──。

〈おそらく、『平凡パンチ』のなかでの大橋歩のイラスト表紙は創刊以来、変わらずにつづいているもっとも[伝統的な要素]に近いものだったはずである。これが変わったとき、『パンチ』は[雑誌として不変の部分を持って存在しなければならない]という、週刊新潮、週刊文春的な部分を喪失したのだと思う〉

これはマガジンハウスという出版社の根本の体質批判である。
つまり、新しい才能などを発掘する才には長けていたが、それを自社の伝統として受け継ぎ自社の財産として継承し、さらに普遍的なものとして日本の文化に組み入れていく社としての戦略や戦術が欠如していたということだ。

ちなみに、そういう戦略戦術に日本で一番長けていたのは集英社の『ジャンプ』だったと、僕は考えている。

僕にも自責の念がある。
『週刊SPA!』の黄金時代に築いた良い伝統を継承する仕組みを考えておけば、『週刊SPA!』も今よりもうちょっとマシな雑誌になっていたという自責の念だ。

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