コウコラム:「服を買わない生活」の中で考えたアレコレを書きます

第493回 買ったみたい

三重県のMさんから
以下のようなメールをもらいました。

〈自作の服を着ていて周りの人に
「それ作ったの?」と言われると、
その服は失敗だと思ってしまいます。

「買ったみたい〜」と言われると
よかった、と思えます。
手作り感のある服がダサい
と思ってしまいます〉

私も、
手作りだとすぐわかる服は、
ダサいと思う。

しかし、
手作り感のある服を
かわいいと感じることもある。

自作服の評価は難しい。
自作服に対する「買ったみたい」が
「よかった」かどうかは微妙だ。

なぜなら
「買ったみたい」は、
イコール「かわいい」とは限らず、
「上手に縫えてる」も含まれるからだ。

上手に縫えてる服が
かわいい服である割合は、
ワタナベ・コウデータによると、
多くても30%くらいじゃないか。

自作服に対する「買ったみたい」が
「よかった」であるか否かは、
「買ったみたい」と発言した人が
どんな人かによる。

というか、
あらゆるケースにおいて、
言葉の意味は、
それを発言した人間によって
変わる。

頭わるい人に
「頭いいんですね」と言われるのと、
頭いい人に
「頭いいんですね」と言われるのが、
等しく「うれしい」でないように。

自分がダサいと感じる人にはむしろ
「ダサい」と思われてたほうが
「うれしいなあ」というように。

自分で服が作れたらいいなあ
と思いながら
服作りをしない理由で、
トップ3(ワタナベ・コウ推定)に
絶対入ると思われる理由のひとつに、
「知り合いの
洋裁の得意なおばさんが作った服が、
ものすごくきれいに縫えてるのに
なんだかダサいから」がある。

服を自作する人が減ったのは、
戦後の「洋裁の時代」という
ファッションによって
生み出された
「洋裁の得意な人たち」が、
「買ったみたい」と誉められながら
「ダサい服」を作り続けたから、
実はこれが最大の理由じゃないかと
ひそかに確信している。

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