コウコラム:「服を買わない生活」の中で考えたアレコレを書きます

第724回 見えてるものしか見ていない


ボタンホールは自宅で作って来ます、
と言って帰ったKさんが、
やらかしてくれましたっ!
20140528_ph02

「ダブルの打ち合わせの
ボタンホールって
こうじゃないんですね!」

(作り方に絵、描いてありますけど……)

「完全に、思い込んでました……」

(自分の能力を信用するなーっ!)

「見返しのない1枚のところに
接着芯もはらないで、
ボタンホール作るなんて、
おかしいな、
と思ったんですけど……」

(そこまで高度な気づきができるんなら、
おかしいと思った時点でやめてっ!)

「このあと、街で
ダブルのジャケット、
着てる人のボタンホールを
観察するようになりました」

(リッパーで穴あける前に観察してーっ!)

「ホントに、右前は中心側しか
ボタンホールないんですね」

(だから、穴あける前に、気づいてっ!)

ボタンホールが出来るまでは
完璧な出来だったKさんの
ジャケットの綿麻千鳥格子はこれ↓

ちなみに、↑写真のポケットは、
急遽つけることにしたので、
まだ途中。

タイトルの
「見えてるものしか見ていない」は、
オスカー・ワイルドとか
ルソーとかが、
同じ意味のことを言ってるわけですが、
洋服を作るようになってから
洋服の構造をチェックするようになった、
という人が大半です。

ダブルの打ち合わせの
ジャケットのボタンは、
止めたとき2列に並んでいるから、
ボタンホールも同じ面に2列
穴があいているはずだ、
という思い込みは、
つまり、
そう見えている、
ということになるわけで、
洋服を作る人は少数派ですから、
大半の人にもそう「見えている」わけで、
そう思い込んだまま死んでいくわけで、
そういう人には、
ダブルの打ち合わせのジャケットの
ボタンホールは2列並んでいる、
が「真実」なわけです。

偏見や思い込みによって
人それぞれ「見えてる」ものは違う、
つまり、
見えてるものしか見ていない、
わけです。

新潟県側から見える妙高山と
長野県側から見える妙高山の
形が違うように、
立ち位置によって、
あるいは、
知識や体験によって、
そのときの気持ちによって、
「真実」は変わる、
つまり、
「真実」はひとつじゃない、
ってことですね。


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