コウコラム:「服を買わない生活」の中で考えたアレコレを書きます
第1324回 モスリンの反物
今日のコウ手芸部では、
Oさんが「ミシンで着物」2枚目、
モスリンの反物の裁断に
突入しました。
モスリンは、
メリンス、唐ちりめんとも呼ばれる
ウール素材の反物です。
昭和13年生まれの母がよく
「モス」と言っていましたが、
最近はあまり使われない素材のようです。
Oさんのモスリンの反物も、
昔のものだということでしたが、
レトロな色柄がかわいい反物でした。
ちょっとテロテロしているので、
ソーイング修行半年未満のOさんが、
ミシンでうまく縫えるか、
あと、もうひとり、
コウ手芸部4年生のNさんも、
これからモスリンの着物に挑戦するんだけど、
ふたりがうまく縫えるか、
ああー心配だわ!
ま、どちらもうまく完成したら(笑)
かわいい着物になると思うんだけど。
(↑これ、むっちゃかわいー!)
さて、
モスリンの語源は、
「ムスリム(イスラム教徒)」です。
もともとは、
現在のパキスタンのあたりで作られた
コットンのことですが、
コットンのような平滑なウール地なので、
日本ではモスリンと呼ぶように
なったようです。
メリンスはモスリンのなまった呼び方。
【ご出産の御祝いなどに】 モスリン御祝着 メリンス産着 -75- 子供着物 女児 女の子 0歳〜2歳 一つ身 一ツ身 ピンク/扇面・鹿の子・毬柄 |
(↑これも超かわいー!)
「本来はインドで」と
説明しているサイトもありますが、
インドとパキスタンは、
もともとひとつの国でした。
(正確に言うと「インド」
という国でもなかった)
イスラム教徒の多い西エリアが
(宗主国イギリスの思惑によって)
パキスタンとして独立させられたのでした。
モスリンは洋服を作るのにも
使われたため、
普通の反物よりも広い幅で、
1反が約75cm幅5.75mあります。
普通の反物は約37cm幅12m。
古い反物だと34cmくらいの幅で、
12mない反物もあります。
最近織られた反物は、
40cmくらいの幅で
12mを越えるものもあります。
純毛モスリン京友禅腰紐メリンス腰紐 友禅柄入り 加藤萬謹製 |
私は身長167cmで、
横幅も少々ありますので、
約40cm幅12m強ある反物のほうが
体にあったものが作れるわけですが、
昔は私みたいにデカい女は
どうしていたのか。
呉服屋の跡取り娘ちゃんでもある
Oさんによると、
背の高い人用の着物は、
おはしょりになる部分に
別布をはさみこんで仕立てる場合がある
ということでした。
反物の幅は、
女性用と男性用の2種類しかないので、
どうしても大きい幅で作りたい場合は、
男性用の反物で作る手もありますが、
そうすると色柄がまるで男性用
ですからねえ、とも。
初期『青鞜』時代に伊藤野枝の同僚だった
尾竹紅吉(紅吉はペンネーム)は、
私と同じ167cmの身長だったという
女性ですが、
自分のことを「僕」と呼び、
「男装していた」と本の中では
書かれています。
男装したかったってこともあったでしょうが、
それしか着るものがなかった、
という現実的な問題も
あったのかもしれません。
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