コウコラム:「服を買わない生活」の中で考えたアレコレを書きます

第1340回 モリスとか戦メリとか羽織とか




ごはん食べるときくらいしか
テレビは見ないんですが。

毎日、ホント、イヤなニュースばっかりだね。

日本がヨーロッパから300年近く遅れて
「近代」に出会ったとき、
すでにヨーロッパの人たちは
「近代」が生むひずみに苦しんでいたわけです。

世界中がどんどん近代化していけば
どんどん人間は苦しむだろう、
なんてことは、
とっくにわかっていたわけですよ。

と言って、
1万年前に開始された壮大な実験は、
世界中のすべての人類が
その実験に参加し、
もがき苦しむところまで行きつかないと終わらない、
というまさに壮大な実験……。

苦しさからいっときでも一瞬でも
逃避するために耽美主義が採用されたんでしょう。

(前近代社会では、耽美はフツーに
日常生活の中に存在していたのに、
「近代」は耽美すらもイデオロギーに
してしまうという……)

行きつくところまで行かないと終わらない、
と言えば、戦争ってやつもそうですが、
先日亡くなったデヴィット・ボウイが
出演した大島渚監督の『戦場のメリークリスマス』、
あれも戦争という極限状態の中で
耽美に目覚める、あるいは、
戦争という極限状態だからこそ
耽美を救いとして求めた、
という、テーマが耽美の映画ですよね。

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耽美主義を最初に採用することを
思いついた近代人は
どこの誰だったんでしょうか。

世界で最初に近代化を成し遂げたイギリスの
ウィリアム・モリス、オスカー・ワイルド
あたりでしょうか。

だとしたら、
彼らの耽美の対象が、
着物に代表される日本の「不具の美
(@村上荘八@記憶による大意)」
だったというのは興味深い。

今日もJ-WAVE(手芸部中にいつも
かけてるラジオ)では、
最近、あなたがハマってる和ブーム、
みたいなネタで投稿を募集してましたが。

最近、やたら目につく
着物ブーム、和ものブームは、
単なる、東京オリンピックに向けて
広告代理店や商社等が仕掛けた
「日本」ブームとも思えず。

行き着く先がうっすらわかっているのに
行き着かずには終わらないんだな、
的な絶望とあきらめから
ちょっとでも逃避して快感を得たいという
「みんなの気分」が「日本」を求めてしまう
のかもしれませんねえ。

というわけで、
アムンゼンの羽織、完成しました↓

20160122_ph02

木綿の着物に合うかわいい名古屋帯、
欲しいなあ。

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