コウコラム:「服を買わない生活」の中で考えたアレコレを書きます

第1389回 益川敏英著、石川達三著、河原理子著


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Oisix(おいしっくす)

いつだったか、
手芸部参加の30代女子に
「コウ先生がいちばん、わあシアワセっ!
って感じるときはどういうときですか?」
と聞かれたことがあります。

「たとえば、私は、
美味しいものを食べたときです」
と質問の主は答えました。

コウ先生は「本を読んでるとき」
と答えました……。

というわけで、
3月11日ですから、趣向を変えて、
最近、読んだ本の話でも。

1冊目は、益川敏英著
『科学者は戦争で何をしたか』↓

著者は、1940年愛知県生まれ、
2008年にノーベル物理学賞を受賞した
理論物理学者です。

新書なので、
著者が語ったことを構成者が
わかりやすい表現に変えながら、
コンパクトにまとめたものだと思うのですが、
過去の世界大戦での科学者の役割を
具体的名称とともに語り、
その背景にある仕組みをザックリ説いた本です。

その「仕組み」は、
〈三・一一の原発事故は、まさに安全面を
ないがしろにしてきた商業主義、カネや利権を
互いにやり取りする政・官・産の癒着構造が
引き起こした人災〉という一文が
象徴しているような気もしますが、
私が最も印象に残った部分は、
著者がノーベル物理学賞受賞記念講演で、
戦争の話をすることにしていたのを、
ある大学教授が、アカデミックな場で
戦争の話題は不謹慎だと批判したという話。

ま、大学や大学教授というものをそもそも
そんなスゴいもんだと思っていないので、
そういう大学教授がいたって別に驚きませんが、
歴史上の科学者や組織の名前は具体的に書いてるのに
ここだけ「ある大学教授」ってのは、
気になって仕方がない!

(そういう印象かい!)

あと、この本がなぜ集英社新書なんだろうか、とか、
そういうことに興味を持ちました。

(ま、内容を要約してもしょうがないので)

そして、
『科学者は戦争で何をしたか』の前に読了したのが、
石川達三著『生きている兵隊』↓

石川達三(1905〜1985)という作家のことは
まるで知らなくて。

私が大学に入学した1981年、
存命だったってのも、知らず。

はるか昔の人かと思ってたわ。

唯一、
クレヤン8号の特集「40歳を読む」を
作ったときに、
ツルシカズヒコことポチ編集長から
「40歳といえば、石川達三の
『四十八歳の抵抗』って本があった」
という話を聞いたことを覚えてるくらい。

そのとき「『生きている兵隊』事件」を、
ザックリ説明されたんだったか、どうか(苦笑。

そんな私がなぜ『生きている兵隊』を読んだかというと。

Amazonの購入履歴&お気に入りリストからの
関連本で、Amazonさんがオススメしてくれた
一覧にあったんですよ。

この名前、確か、あのとき、
ポチさんが言ってた作家だわ、と。

「『生きている兵隊』事件」の概要から、
反戦を書いたものなのかと思っていたら、
むしろ印象的には逆で。

戦争でイキイキする人間、
みたいな小説でしたよ。

(あ、まあ、だから、反戦、
と言うこともできるか)

2週間くらい従軍して書いた作品らしいんですが、
いや、なんか、書いてる人も、
本物の戦争を見ることができて
そうとう楽しかったんじゃないか、的な。

(あ、まあ、だから、反戦、
と言うこともできるか)

で、本は、
検閲で当時、伏字になってた部分が
復刻されたもので、
どこが削られたかがわかるよう
傍線が引かれていたりするんですが、
そういう部分にはまるで関心がなく(笑)。

私が最も印象に残った部分は、
南京で日本人兵士が、
住人が逃げたあとの空き家になった
お金持ちの中国人の邸宅の一室で
日時計を見つけ、いじってみると、
ちゃんと機能することに感動したくだり。

「中国人は、国家のために兵隊やったりなんかしないで、
何千年もの昔からずっとアナキストだったんだよなあ」
と兵士がつぶやく場面です。

(あ、まあ、だから、やっぱり反戦、
と言うこともできるか)

そして、現在、読み中なのが、
『生きている兵隊』を読んだ関連でしょう、
Amazonさんにオススメされた
河原理子著『戦争と検閲–石川達三を読み直す』↓

「河原理子」というお名前を記憶していたので、
読んでみることにしたんですが。

河原理子氏は、
私とポチさんが朝日新聞東京都版で
高校野球の連載を執筆したときの
直接担当のその上の人(当時の役職を失念)。

連載中に私は流産したんですが、
高校野球の東京都大会を連日、取材して、
その日の夕方までにイラストを描く、
という仕事だったんですが、
妊娠が発覚したとき、
そういうわりとタイトな仕事をやってて
「大丈夫なのか」と河原さんが心配してる、
という話を伝え聞いたことを思い出しました。

流産は、そのあともやって、
別に日刊取材の仕事の疲労とか
ストレスのせいだったのではなく、
「異常子宮」という体質のせいだと
わかったんですけどね。

この場を借りて、河原さんに伝言しておこう。

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