コウコラム:「服を買わない生活」の中で考えたアレコレを書きます
第1480回 いつかくる制服を脱ぐ日のことを
コウコラム第1459回でご紹介した、
高校生延長戦中18歳、Iさんの
短歌スカートが完成しました↓
生地(綿ギャバジン)には、
Iさんが詠んだ短歌が原稿用紙とともに
印刷されています。
〈いつかくる制服を脱ぐ日のことを
私はちゃんと愛せるのかな〉
なんてグッと来る歌なんでせう。
*
さて、Iさんは、
現在、通信制の高校で勉強中で、
大学への進学をめざしています。
今日、ふと見ると、
少しスリムになっていたので、
型紙製作時の採寸を
気にしちゃったのかしらと思い、
「ダイエットしたの?」と聞いてみました。
そしたら、胃が痛くて、
ごはんが食べられないんだって。
「この前の模試判定が
Eだったからかなあ」
とケラケラ笑っていました。
![]() 血脈(上) |
Iさんは、
はじめてミシンを踏んだときも、
「ソーイングって楽しいんですね」
とケラケラ笑っていました。
縫ったプリーツが
ちゃんとプリーツになってた瞬間も。
自分の短歌がスカートの真ん中に、
左右対称に、ふたつ並んでいるのを
スゴいと言ったときも。
英語が苦手だというIさんに
「コンシールの意味は?」と
コウ先生が振ったときも。
コンシールファスナーがちゃんと
「コンシール(=隠れる)」に
なって出来たときも。
いつでもケラケラ笑ってたIさんでしたが、
Iさんの左手首にはいっぱい切り傷が
ある……。
人間はいちばんツラいとき、
泣くのではない、笑うのだ。
と書いていたのは佐藤愛子だったか。
![]() 血脈(中) |
私は、高校生のころ、
学校に行きたくなくて、
よくズル休みしていました。
ズル休みしない日は、遅刻したり、
1時間目だけ出席して早退したり。
父親が東京へ単身赴任中だったので、
学校へ行かない私の扱いに困った母が
東京の父に電話をかけて、
電話口に呼ばれたこともありました。
父は、
学校なんか行かなくてもいいぞ、
それでも大学にちゃんと行けるんだろ、
って笑っていました。
イヤなイヤな高校生活、
早く早く卒業したかった。
もう過ぎた制服脱いだ日のことを
私はぜんぜん愛せません(笑)
けど、
模試だけはなんだか受けに
高校へ行ってたんだよねえ。
模試って、受けないと
本番も受験できない仕組みだった
わけじゃないよね。
模試の志望校は、
いつもウソの志望校(東京大学)を書いてて、
たいていE判定で、ケラケラ笑ってました。
![]() 血脈(下) |
(佐藤愛子著『血脈』は、
人間の弱さと恐ろしさ、そして、
戦争の悲惨さを書いた「重喜劇小説」、
超面白いです!)
*
明日は、裁縫以外のお仕事で
ちょっと旅に出るので、
コウコラムはお休みです。
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