第2396回　大原化工機冤罪事件

コウコラム：「服を買わない生活」の中で考えたアレコレを書きます

2023-01-29（日）

先日、Twitterのタイムラインで、
２０１８年に起きた大原化工機冤罪事件を
漫画にしたものを見つけました。

冤罪事件の恐ろしさが
よくわかる仕立てになっていて、
戦慄しました。

大原化工機冤罪事件は、
NHK「クローズアップ現代」でも
放送されました。

拘留中にガンになって死んでしまった
技術者の男性の妻が
「もうウソつくしかないんじゃ」
と夫に言ったというところは、
つらかった。

2人の気持ちを思うとつらすぎる。

ある日、突然、
身に覚えのないことで警察にひっぱられ、
独房で拘留される……
「普通の人」の「普段の生活」を
奪うような法律があるなんて
異常だと思う。

国会では、
日本共産党の田村智子議員が
2022年4月に取り上げています↓

＊　　＊　　＊　　＊

2015年に
平和安全法（＝戦争法）が成立した時、
刑法学者の内田博文氏は、
自著『刑法と戦争』（みすず書房）に
「昭和3年に似ている」と書きました。

昭和3（1928）年は、
拙著『漫画　伊藤千代子の青春』（新日本出版社）の
主人公・伊藤千代子が検挙された年です。

千代子を含む
戦争反対や民主主義を訴えていた人々が
全国で一斉に検挙された3・15事件が
起こった年なのです。

その3年前には治安維持法が成立し、
3・15事件で起訴された被告たちは、
治安維持法違反で有罪になりました。

「戦争反対！」って叫ぶことが、
罪になったんですよ。

治安維持法は、
「無法を合法化した法律」だと
内田博文氏は書いています。

しかし、そんな異常な弾圧事件が
あったにもかかわらず、
1929年、30年、31年、32年と、
治安維持法の検挙者数は
どんどん増えていきました。

弾圧に屈せず、
戦争反対の声を上げる人が
増えていったということです。

恐かったろうなあ。

でも、声を上げずには
いられなかったんだろうなあ。

でっち上げの罪から逃れるために
「ウソをつくしかないんじゃ」と
人間に言わせる法律が、
21世紀に出来てるって変過ぎる！

検挙者数がピークに達した1933年は、
作家・小林多喜二が検挙され、
その日のうちに、築地警察署で
特高警察に苛烈な拷問を受けて
虐殺された年です。

満州事変を起こした日本が
国際連盟を脱退した年でもあります。

いまの異常な状況、変えたいですね。

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