ポチのクレヤン編集長日記:ポチことツルシカズヒコが書く身辺雑記
百年前の雑誌編集部
2009-11-03(火)
森まゆみ編『伊藤野枝選集』(學藝書林)を読んだ。
伊藤野枝は関東大震災直後に、
大杉栄とともに虐殺されたアナーキストである。
『伊藤野枝選集』は伊藤野枝が書き残した、
創作や評論や書簡からなる本である。
伊藤野枝は雑誌『青鞜』(1911年〜16年)の編集に関わったのだが、
彼女が書き残している『青鞜』編集部の描写の下りがいい。
たとえば、新米編集者の伊藤野枝に対して、
編集長の平塚明子が、こんなことを言うのである。
「じゃあそろそろ仕事を始めましょうね。原稿はたいていそろっていますから、頁数をきめましょうね。この社の原稿紙三枚で一頁になるのですから、そのつもりで数えてくださいね」
今から百年ぐらい前の雑誌編集部の描写なのだが、
雑誌編集という仕事は百年前も今もあまり変わっていない。
なぜ、伊藤野枝の本を読んでいるのかというと、
クレヤン11号の特集の中で、
コウが伊藤野枝についてのマンガを描くことになったからである。