ポチのクレヤン編集長日記:ポチことツルシカズヒコが書く身辺雑記
夫妻の絆
2009-11-04(水)
東京駅発9時の東北新幹線に乗った。
車中、岡田茉莉子著『女優 岡田茉莉子』(文藝春秋)を読む。
四方田犬彦さんが岡田さんに、こんな発言をしたと書いてある。
「東宝時代にはアイドル・スター、松竹時代にはメロドラマ・スターであった岡田さんが、そうしたスターダムを捨て去って、日本の政治、暴力、それに性をテーマにした、『エロス+虐殺』のような作品の主演を演じるのは、奇跡です」
なるほど・・・と頷きつつ、
僕は吉田喜重監督と岡田さん夫妻の絆について考えざるを得なかった。
二人とも松竹を辞めて、
現代映画社という会社を作って映画を撮り始めたころのことである。
11時過ぎに仙台に到着。
東北本線下りの普通列車に乗り換え、東仙台で下車。
実家の小牛田から来た姉と待ち合わせ、
タクシーで母が入院している仙台オープン病院に行く。
大腸ガンの内視鏡検査と手術をした母は、元気だった。
ガンは幸い腸壁の表面にできたもので、良性のものだったという。
ここ十年ぐらいで一番元気な母を見たように思う。
午後、母、退院。
秋晴れだった。
病室のある5階の窓から、奥羽山脈の連なりが見えた。