ポチのクレヤン編集長日記:ポチことツルシカズヒコが書く身辺雑記

木村荘太が伊藤野枝に『痴人の懺悔』を寄贈した理由


長らくお待たせしておりました
クレヤン14号『CY大正浪漫コミックス1 動揺』、
(漫画ワタナベ・コウ/伊藤野枝原作)
本日入稿しました。

定期購読者のみなさまへは、
3月5日に発送する予定です。

野枝が書いた「動揺」について、
私も文章をちょこっと
寄稿させていただきました。

「動揺」は1913年の初夏、
野枝と木村荘太との間に生じた
ラブアフェアなんですが、
その37年後に出版された
木村荘太(艸太)の自伝『魔の宴』にも、
しっかりと記述されています。

本日、『魔の宴』を再読してみて、
読み落としていた部分を追記しました。

木村荘太はこの事件の2年後、
野枝に自身が訳した『痴人の懺悔』
(ストリンドベルヒ著)を寄贈したのですが、
これは「和解の意志」の表明だったという。

【伊藤野枝 1895-1923】93回

野枝も木村荘太訳の
この本を気に入ったらしく、
野上弥生子に宛てる
書簡形式でこの本に言及しています。

野枝と木村荘太の一件は
喧嘩別れのような印象が強いですが、
ふたりの感情の中にあった刺が、
時の経過とともに
丸みを帯びて来たとすれば、
ちょっとホッコリするような
ところがありますね。

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