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『伊藤野枝と代準介』（矢野寛治著/弦書房）と
『炎の女　伊藤野枝伝』（岩崎呉夫著/七曜社）、
読了しました。

クレヤン11号掲載の「ふりぃらぶ」を
ブラッシュアップした漫画に
再びチャレンジするためですが、
過去に伊藤野枝関係の本を読んでるんで、
2012年発行の『伊藤野枝と代準介』は、
アマゾンさんに勧められてて、
ちょっと気になってました。

代準介の娘の孫の夫が書いた本ってことで、
いまひとつ信用ならない感じがしてたんだけど、
わりと面白かった。

出版の目的のひとつである
「先著作の間違いを正す」ために
書かれたというのがよおくわかる本でした。

創作物とはいえ、
書かれたほうの親族としては、
どうしてもひとこと言っておきたい
って気持ちはわかる。

『炎の女　伊藤野枝伝』は、
1963年発行の本で、
瀬戸内寂聴さんの『美は乱調にあり』が
参考文献として挙げていたんで、
存在は知ってて気になってたんですが、
なにせ古い本なので世田谷区の図書館にはなく、
まあ、甘粕事件の医学鑑定書が
世に出る前の著作だし、
読まなくてもいいかなあと思ってました。

中古で手に入れて読んでみたら、
最初からその甘粕事件に触れてたりして、
いやあ、意外に面白かったなあ。

『伊藤野枝と代準介』が
寂聴さんの『美は乱調にあり』の中の
「従姉」の記述が「従妹」の間違いだと
指摘しているんですが、
『炎の女　伊藤野枝伝』では正しいほうの
「従妹」にちゃんとなってたりして。

てことは、
寂聴さん（と編集者）が意図的に、
話を面白くするために「従妹」としたのかなあとか。
ほか、いろいろ、ルポが小説になると
こうなるのか的な創作の過程が
うかがい知れたのは勉強になりました。

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