第921回　ウールって全部ストレッチだと思ってました

コウコラム：「服を買わない生活」の中で考えたアレコレを書きます

2014-12-07（日）

今日の手芸部は3人のTさんと活動。

うち、最もソーイング歴の長いTさんが、
「ウールって全部ストレッチだと
思ってました！」とか
「ニットって冬もののことだけを
言うんだと思ってました！」と言ったので、
ウールとストレッチとニットについて
しばし説明。

（これ↓は、ウールの糸だけで織った生地で、
ストレッチじゃないウールの生地）

生地の名前は、
とにかく膨大かつ複雑です。

手芸店の店員さんでも
正しく理解している人は
とても少ないと思われ、
お店での名称やカテゴリー分けは、
店ごとに違っているし、
呼び方なんかも統一されていません。

（これ↓は、ウールの糸や
ポリウレタンの糸などを織った生地で、
ウールのストレッチ）

とってもわかりにくい世界なんですね、
生地の世界は。

あくまで個人的な見解ですが、
生地の名前は、わざと複雑にして
わかりにくくしているんだと思います。

生地は、ファッションという
資本主義の根幹を担う産業と
結びついています。

わかりやすく理解されたら
困る人が多いからだと思います。

（これ↓は、ウールの糸を編んだ生地で、
ウールのニット）

まあ、生地だけじゃなくて、
わかりにくいことはすべて、
わかりにくいように仕組まれてるんだよね。

で、Tさんが、
「ウールはすべてストレッチ」と
思い込んでいたのは、
間違いと言えないこともない。

たぶん、Tさんは
「ちょっと伸びる」という意味で
「ストレッチ」と言ってたんだと思うんですが、
ウールの生地は確かにちょっと伸びます。
ストレッチ性がある、は正しい。

でも、ソーイング＆ファッション業界的には
ストレッチというのは、
ポリウレタン糸を使った生地のこと。

なので、ウールの生地には、
ストレッチのものとそうでないものがあります。

ウールの生地の「伸びる」は、
ウールという素材の持つ「弾力性」のせいです。
手で押すと縮み、手を離すともとに戻る、
という「毛」の特徴ですね。

そして、ニットというのは、
ソーイング＆ファッション業界的には、
ニット生地、つまり編み地のことで、
冬用の手編みのセーターのことだけを
言うわけじゃありません。

素材によっては、
春夏用のニットもある。

（これ↓は、コットンの糸だけを編んだ生地で、
１年中着られるニット）

ストレッチとニットを混同して
売っている手芸店は多いんですが、
正確にはストレッチとニットは違うもの。

素材にポリウレタンを含む編み地は、
ストレッチニットです。

ストレッチニットは、
伸縮性のある糸を編んで作ってる生地なので、
とってもよく伸縮します。

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