第987回　大正時代の生理用品「桜紙」

コウコラム：「服を買わない生活」の中で考えたアレコレを書きます

2015-02-11（水）

『伊藤野枝1895-1923』第42回撞着の絵を描くために、
『ハリウッドの怪優上山草人とその妻山川浦路』
（三田照子著/日本図書刊行会）と
『谷崎潤一郎全集第17巻』（中央公論社/1982）
所収の「上山草人のこと」
（初出：S29/11月号別冊文藝春秋/
原題「老俳優の思ひ出）
を読みました。

上山草人は、
明治17（1884）年生まれ、
宮城県涌谷（わくや）町出身。

サイレント時代のハリウッド映画で
活躍した日本人として映画ファンに知られ、
谷崎潤一郎の親友だったとも
言われる俳優です。

上山草人については、
谷崎潤一郎研究者で
甲南女子大学教授の細江光氏製作の
「上山草人年譜稿」が詳しい。

（↑来月発行の、小谷野さんと
細江氏編集の谷崎対談集芸能編）

草人は、上京して
早稲田大学（名前は大学だけど当時は専門学校）に
入学したようですが、
中退して、
東京美術学校（現東京藝大）で
日本画を勉強したりもしてたらしい。

そのころの友人に
小林古径がいると知って、
へえって思った。

古径（こけい）は、
切手にも使われた「髪」で
知られる日本画家の大家ですが、
わが地元、新潟・上越市の出身で、
上越市に美術館もあるんですよ。

谷崎の「上山草人のこと」に、
草人が新橋で経営していた化粧品店
「かかしや」のことが書いてあるんですが、
わりと売れていた商品のひとつに
「音無紙（おとなしがみ）」
という和紙があったそうです。

「音無紙」のことを谷崎は
「櫻紙のような」と書いているんですが、
谷崎潤一郎が書く「櫻紙（さくらがみ）」が
単なる「櫻紙」ではないだろうと思い、
ググってみたら、このページを発見。

元のページは消されてましたが、
「櫻紙」というのは、
今のタンポンとか避妊具として
使われた和紙の名前なんですね。

つまり、使うと「桜色」になる……（笑。

なんて洒落たネーミングなの！

和歌山熊野の特産品
「音無紙（おとなしがみ）」は、
音が出ないくらい薄いことから
その名前があるようです。

で、思い出したんだよねえ。

中学生くらいのころに、
明治生まれの祖母に、
「昔は生理のときはどうしていたのか」
と質問したことがありました。

祖母は「チリ紙を使っていた」
と答え、どうやって使ったのかは、
深く考えずに納得したんですが、
紙を丸めて「中に」詰めていたとは！

中学生の頭では想像できなかった。
約40年後に、こんな形で、
事実を知ることになろうとは。

タンポンは、ナプキンのあとに
発明されたものと思い込んでましたが、
「タンポン」は原始的な構造で、
ナプキンより前に存在してた、
ってことですね。

いやいや、ホント、
知らないことはまだまだ多いっす。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

コウ先生が
カタログハウス大阪店（なんば）でナマ指導する
４月のソーイング教室、参加応募受付中です↓
応募締切日は3/8、抽選の結果、
当選した方のみの参加となります。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
2014/10/21に開催された、
ワタナベ・コウの和光大学での講演
「裁縫する女」のジェンダー・ポリティクス」の、
当日配布資料のpdfファイルです↓
「裁縫する女」のジェンダー・ポリティクス

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
コウ手芸部では、
LINEスタンプ発売開始キャンペーン中！

スタンプは２種↑↓あります！

iPhoneでのLINEスタンプの買い方はこちらで！
　

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
●雑誌『hito（ヒト）』3号にインタビュー掲載

●歌人の枡野浩一さんとのユースト対談↓
http://www.ustream.tv/recorded/12750111

●写真家の大野純一さんとのユースト対談↓
http://www.ustream.tv/channel/ohnojunichi

●文筆家の近代ナリコさんの『裁縫女子』（リトルモア）書評↓
http://bit.ly/fHvj35

●『裁縫女子』は↓で最初の4ページが読めます（無料）。
http://xfs.jp/yVaxt